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2020.12.01

ランドローバーのディフェンダーは英国からやってきた“何処でもドア”【クルマの教養】

歴史ある名車の“今”と“昔”、自動車ブランド最新事情、いま手に入るべきこだわりのクルマ、名作映画を彩る名車etc……。国産車から輸入車まで、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う自動車ライター・大音安弘が、さまざまな角度から”クルマの教養”を伝授する!

「クロカン」と呼ばれる本格志向のSUV

今、人気真っ只中のSUVの活躍の主な舞台は、市街地といっても過言ではない。特に道路整備の行き届いた日本では、SUV本来の悪路走破性を求められることは限りなく少ない。そのため、SUVに乗るということは、ファッションに近いともいえる。しかし、一口にSUVといっても、スタイル重視から本格派までジャンルは細分化されている。その中でも、古くから脈々と悪路走破性に拘ったクルマが「クロカン」と呼ばれる本格志向のSUVである。今回、紹介するランドローバー・ディフェンダーは、そんな本物志向の強い一台だ。

走破性と快適性の高さから「砂漠のロールス」と称えられたレンジローバーの名を知る人は多いだろうが、ランドローバーと聞いてもピンと来ないかもしれない。レンジローバーは、英国の自動車会社ローバーのSUV専門ブランドであるランドローバーが、1970年に送り出した高級SUVである。その原点となるのが、’48年に発表されたランドローバー・シリーズ1である。一言でいえば、ランドローバーは、ジープのような悪路走破に特化した4輪駆動車であった。その活躍は、軍用車をはじめ、次第に民生向けへと広がっていくが、基本的には働くクルマであった。そのノウハウが活かして開発された高級車が、レンジローバーだったのだ。

’90年になり、ランドローバーに乗用性能も考量した新たなSUV「ディスカバリー」が誕生。ランドローバーのラインアップが増えたことで、ようやくディフェンダーという名が与えられることに。その後も改良を加えながら、なんと2016年まで生産が続けられたロングセラーであった。その次期モデルが、’19年に誕生。それが今回の主役、2代目ディフェンダーである。

170種類ものオプションアイテムが用意

新型ディフェンダーには、3ドアショートボディの「90」と5ドアロングボディの「110」の2種類が存在する。もちろん、日本での主力は積載性にも優れる「110」だ。見るからに頑丈そうなボディは迫力満点だが、丸目ライトや曲線を取り入れたフロントマスクに愛嬌が感じられ、親しみやすい。気の優しい大型動物といったところか。そのボディサイズは、全長4945mm×全幅1995mm×全高1970mmとやや大きめ。日本車でいえば、ランドクルーザー級だが、意外にも全長は少しディフェンダーの方が短い。とはいえ、街乗りにはちょっと大きすぎるサイズと言えるだろう。

内装も質実剛健なデザインを旨とする。運転席前に広がるダッシュボードは、シンプルなデザインで機能性を優先。ドアパネルを見ると、部分的に鉄板がむき出し。まさにワイルドな世界だ。しかし、その雰囲気が冒険心を駆り立ててくれる。新ディフェンダーには、ユーザーの冒険を支える170種類ものオプションアイテムが用意されているというから驚く。まさにヒーローが使う秘密兵器のようではないか。そんなところもワクワクさを盛り上げてくれる。機能面を見ていくとスクエアなデザインと大型ボディの恩恵もあり、室内も広々している。もちろん、現代車なので先進的なインフォテイメントシステムだけでなく、最新の安全運転支援機能まで備わるのでご安心を……。

メカニズムにも簡単に触れておくと、一般的にクロカンは、堅牢なフレームシャシーを持つことが多いが、ディフェンダーでは、乗用車などと同じオールアルミニウム製モノコックボディを持つ。しかし、これは最新技術により軽量かつ頑丈なボディを手にする秘策であり、ランドローバー史上もっとも頑丈なボディだという。エンジンも主力のガソリン車のものがダウンサイズされており、コンパクトな2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載。見かけによらず、小食なのだ。ただ性能は最高出力300ps、最大トルク400Nmと十分なものを備えている。

どこまでも出かけたくなるワクワクを与えてくれる

いよいよコンクリートジャングルに冒険に出る。その舞台は横浜周辺だ。走り始めると、意外と取り回しが良い。これは直線的なボンネットやダッシュボードの恩恵で、サイズ感を掴みやすいのだ。またクルマの動きにも機敏さがあり、街中をスムーズに駆け抜ける。これも大きさを忘れさせるポイントだ。もちろん、加速性能にも不満はない。巷に溢れる高級SUVに決して劣らない快適な乗り心地も備えている。こう完璧だと意地悪な気持ちも芽生えるもの。流石に高速道路では、馬脚を露すだろうと連れ出すも、全高が2m近くあるにも関わらず、ふらつきもなくどっしりとした走りを見せる。

さらにいえば加速性能には、まだ余裕が見られた点も見過ごせない。唯一、フロントガラスにあたる風の音が気になったが、音の侵入自体が抑えられているので、音楽を掛けていたら、気にならないだろう。なによりも乗り心地が良い。これはレンジローバー譲りといっても言い過ぎではないと思う。冒険野郎は、意外にもおもてなし上手でもあったのだ。

そんな隙のないディフェンダーの本来の舞台は、厳しい自然の中だ。多くの困難に自力で立ち向かえなければ、最悪、死の危険すらある。日本のコンクリートジャングルなど恐れるに足らずということだ。そんなディフェンダーを一言で示すなら、どこでもドアだろう。それは走破性の高さだけではなく、どこまでも出かけたくなるワクワクを与えてくれることが大きい。生活を変えたい人にも、おススメしたくなる一台だ。

TEXT=大音安弘

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