建築家 谷尻 誠 / ボルボV70
建築家の谷尻誠さんは、お客さんとの打ち合わせで次のように切りだすことがある。
「クルマってすごいですよね。今あるクルマに十数万円足せばソファつきの部屋が手に入ってしまう。何台かつなげて屋根を載せて、ガラスで囲えば家が完成。その中のひと部屋で出かけることもできます」
面白い!とノッてくる人も、サッと引く人も。だが反応を見れば、大胆な提案が可能か、慎重にいくべきかわかるという。
ところで、谷尻さんはボルボV70ばかりを3台乗り続けている。思い入れが強いのかと思いきや、「毎回現物も見ずに決めてます」とあっさり。クルマは好きで、仕事にも趣味にも必要だが、実際は信頼するクルマ屋の友人が勧めるまま購入している。
「何を買うかと同じくらい、僕にとっては誰から買うかが大事です。客が出す条件を満たし、プラスアルファの価値を盛りこんでくれるのがプロ。"センスがあって荷物が積めてちゃんと走るやつ"と条件を彼に出したら、すべてを満たしたうえに、おまけに快適なボルボを見立ててくれた。僕もそんな建築家でありたいと思います」
今、気になるのは同郷マツダのクルマ。早くも、次のお見立てモデルが待ち遠しいようだ。
死ぬまでに乗りたいクルマ
●ミニ・クーパー
●ポルシェ911
●ハイエース
ミニ・クーパーは形が好き。911は触れた時に感じる"モノのよさ"に惹(ひ)かれる。ハイエースはいつか住空間として建築に活用してみたいクルマ。
Makoto Tanijiri
1974年、広島県生まれ。建築設計事務所Suppose design office代表。住宅やインテリアのほか、国内外で80を超すプロジェクトを手がける気鋭の建築家。
*本記事の内容は14年10月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)