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ART

2022.09.06

ドラえもんが街をジャック!? 「六本木アートナイト」に行こう─アートというお買い物

ほんの20年くらいですっかりアートの街になってしまった六本木。それは良い美術館が次々に出来て、地元の商店街の応援もあり、連携もうまくいって、そして、六本木アートナイトみたいなお祭りもやって話題を作ってきたからですね。さて、コロナ禍で休んでしまっていた六本木アートナイトは2022年、ドラえもんにも協力してもらって華々しく開催されます。これは行くしかないでしょう。連載「アートというお買い物」とは……

村上隆の作品

村上隆の作品。高さ約10メートル!
©Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
©Fujiko-Pro

今や、アートの中心は六本木に

六本木アートナイトのことを書こうと思って、東京の美術館事情とその変遷について考えてしまった。六本木は今や上野に次ぐ東京のアート重要地点と言ってもいい。でも、考えてみればそれは21世紀からこちらの話で、もともとは防衛庁(当時。現在の東京ミッドタウンの場所にあった)や米軍関連施設(星条旗新聞社とか)があったり、各国大使館からアクセスの良い歓楽街、商店街、オフィス街だった。

そこに六本木ヒルズや東京ミッドタウンなど大規模複合施設が出来て、それぞれにホテルや美術館を持つ。森美術館は2003年開館、サントリー美術館は2007年に赤坂から移転してきた。そして、日本で5番目の国立の美術館として、国立新美術館が2007年にオープンする。5つの国立美術館、言えます? あとの4つは東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館です。近代2館は言えても、西洋と国際が出なかったりしない?

六本木商店街振興組合が設置しているスマート街路灯のデジタルサイネージ

「六本木アートナイト」では、六本木商店街振興組合が設置しているスマート街路灯のデジタルサイネージを使って、六本木フォトコンテストや六本木デザイナーズフラッグ・コンテストの優秀作品を掲載展示する。

さらにかつては、主な美術館は地下鉄銀座線に沿ってあった。というのも現在から想像できないかもだが、デパートがそれぞれアートスペースを持っていて、美術ファンにとっても通うべき場所だったのだ。デパート内の“美術館”は入場料をとって、印象派の展覧会をやったりしていた。銀座線ではないけれど、今でも「そごう美術館」(横浜)があるでしょ。

なので、銀座線でいうと、上野なら、東京国立博物館、国立西洋美術館、東京都美術館、東京藝術大学大学美術館、上野の森美術館などがあり、日本橋・銀座にはデパートでアートが見れたし、赤坂にはサントリー美術館があったし、渋谷にはデパートもあるし、Bunkamuraザ・ミュージアムは今もある。

しかし、である。今は日比谷線の時代かもしれない。上野は銀座線と同じ。これは揺るぎない。六本木には国立新美術館、森美術館、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHTがあって、恵比寿には東京都写真美術館があるのだから。

東京ステーションギャラリー、アーティゾン美術館、三菱一号館美術館の最寄駅は東京駅なので丸の内線でしょと言われるかもしれないが、まあ、銀座線なら京橋駅、日比谷線なら日比谷駅あたりからアクセスしていただきたい。

10メートルの巨大なドラえもんが出現!

さて、六本木アートナイトである。美術館、大型複合施設、商店街が一体となって開催されるイベント。コロナで中止になっていたけれど、2022年は9月17日(土) ~ 9月19日(月・祝)の3日間で開催決定。かつてのように夜通しというわけにはいかないけれど、街とアートが一体化する祭典は盛り上がるに違いない。メインプログラム・アーティストは村上隆、テーマは「マジカル大冒険 この街で、アートの不思議を探せ!」となった。

六本木ヒルズの玄関先広場である66プラザに2020年〜21年、高さ約10mの金色に輝く巨大な彫刻作品《お花の親子》を約10か月間展示した村上隆だが、今回は六本木ヒルズアリーナにやはりおよそ10メートルの巨大なドラえもんを設置する。これは、「THE ドラえもん展」のときに展示された絵画《あんなこといいな 出来たらいいな》(2017年)で発表した表現が大きな立体作品になった感じだ。

村上隆

「六本木アートナイト」メインプログラム・アーティストの村上隆。
Photo by RK (IG:@rkrkrk)
©Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
©Fujiko-Pro

村上のシグネチャー的モチーフであるお花と、ドラえもんに登場するキャラクターたちや藤子・F・不二雄先生が織り混ぜられるように描かれている。マンガ的なイラストに見えて、美術の解釈の視点で言うと、実はそこには曼荼羅、仏教美術からの引用やヌードという絵画の永遠のテーマへの言及、近代美術からは抽象表現主義の立場をとっていることもわかる。

そんなややこしい説明はともかくとして、六本木ヒルズアリーナに出現する巨大ドラえもんは見てみたいし、村上隆以外のアーティストがそれぞれ、独自のドラえもんを制作し、それらは会場のあちこちに設置されるという。

タカノ綾とカシン・ローン(KASING LUNG)のドラえもん

上:タカノ綾のドラえもん 下:カシン・ローン(KASING LUNG)のドラえもん
©Aya Takano/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved. ©Fujiko-Pro
©Kasing Lung. All rights reserved. ©Fujiko-Pro

美術館としては、国立新美術館で「国立新美術館開館15周年記念 李禹煥」「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション」が、森美術館で「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」「MAMコレクション015:仙境へようこそ―やなぎみわ、小谷元彦、ユ・スンホ、名和晃平」などが、サントリー美術館で「美をつくし―大阪市立美術館コレクション」が、21_21 DESIGN SIGHTで「クリストとジャンヌ=クロード “包まれた凱旋門”」が開催されている。

MAMコレクション015:仙境へようこそ―やなぎみわ、小谷元彦、ユ・スンホ、名和晃平」

展示風景「MAMコレクション015:仙境へようこそ―やなぎみわ、小谷元彦、ユ・スンホ、名和晃平」森美術館(東京) 2022年 撮影:来田猛 画像提供:森美術館

李禹煥

李禹煥、鎌倉にて、2022年 Photo© Lee Ufan, photo: Shu Nakagawa

『六本木アートナイト2022』
開催日:2022年9月17日(土)~ 9月19日(月・祝)
開催時間:10:00 ~ 22:00(※19日のみ18:00まで)
※9月3日(土)から一部作品は先行展示

Yoshio Suzuki
編集者/美術ジャーナリスト。雑誌、書籍、ウェブへの美術関連記事の執筆や編集、展覧会の企画や広報を手がける。また、美術を軸にした企業戦略のコンサルティングなども。前職はマガジンハウスにて、ポパイ、アンアン、リラックス編集部勤務ののち、ブルータス副編集長を10年間務めた。国内外、多くの美術館を取材。アーティストインタビュー多数。明治学院大学、愛知県立芸術大学非常勤講師。東京都庭園美術館外部評価委員。

過去連載記事

連載「アートというお買い物」とは……
美術ジャーナリスト・鈴木芳雄が”買う”という視点でアートに切り込む連載。話題のオークション、お宝の美術品、気鋭のアーティストインタビューなど、アートの購入を考える人もそうでない人も知っておいて損なしのコンテンツをお届け。

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TEXT=鈴木芳雄

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