ART

2021.01.30

まるでギャラリー? 青木野枝、武田鉄平ら好きなアートに囲まれる家

棟田 響氏

左の大きな絵画は、リチャード・オードリッチの『untitled』。右の絵画は、松川朋奈の『良い母親になるってどういうことなのか、いまだにその意味を考える』。

「いい作品は見るたびに発見がある」

アートに魅せられて5年弱になるという、投資運用会社勤務の棟田響(むねた・ひびき)氏。

「仕事以外でこんなに熱中したのは、アートが初めて。何をやるにも広く浅くだったのに、アートにはどっぷりハマってしまいました」

青木野枝作『空玉』

記念すべきファースト・コレクションの青木野枝作『空玉』は、新居の広々としたテラスが定位置。

傾倒するきっかけは、当時の家の壁にスペースがあり、絵を飾るのにちょうどいいと思ったため。そこでギャラリー巡りを始めたところ、出合ったのが青木野枝の彫刻作品だった。

「絵ではないので壁にかけられないのですが、無性に惹かれて。結局、出窓に置いたのですが、それがインテリアのアクセントになり、すごくよかったんです。以来、家中のあちこちのスペースをアートで埋めたくなってしまった。今年引っ越しをしたのですが、作品を飾れる壁が多かったのも、この家を選んだ理由のひとつです」

絵画のための絵画 013

リビングの壁を彩るのは、武田鉄平の『絵画のための絵画 013』など同世代の作家のものがメイン。

作品購入の決め手となるのは、自分の心が動くかどうか。

「理由はわからないけれど、なぜか気になる。そんな作品を選びます。言葉で説明できないからこそ、見るたびに新しい発見や気づきがあって、いつまでも楽しめるんですよね」

パウロ・モンテイロ

エントランスにはパウロ・モンテイロの3点物の作品を展示。

その時々の気持ちに合わせて購入しているため、一見するとコレクションに統一性はない。しかし、第一子誕生時に聖母子像をイメージした作品を購入したというように、コレクションがそのまま棟田氏の心や状況の変化の歴史にもなっている。

「アートが好きになってから、作品に関する論文や記事を読み、画集などで目にした作家の作品を見に美術館やギャラリーにも行くようになりましたが、知れば知るほどアートは面白いし、奥深い。何を買おうか迷う楽しさもあれば、飾って鑑賞する楽しみもある。きっと一生ハマり続けるでしょうね。これからどんな作品に出合えるのか、今からワクワクしています」

千葉正也の絵画『水浴』

壁には千葉正也の絵画、『水浴』がかけられており、デスクの上には曽根裕と永田康祐が手がけた大理石製の本物の『PC』が置かれるなど、書斎もアート一色となっている。

 

Hibiki Muneta
1979年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、監査法人を経て投資運用会社に入社。公認会計士、CFA協会認定証券アナリスト。2016年頃からアートの収集を始め、現在約40点の作品を所有。

TEXT=村上早苗

PHOTOGRAPH=滝川一真

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