時代の変化に伴い、アートにまつわる仕事は実に多様化している。業界に一石を投じるベンチャー企業や話題の新興ギャラリー、管理倉庫の舞台裏まで、アートの仕事の最前線に迫った。
アートフォトで日常の生活を彩る
パリで2006年に誕生したアートフォトの専門店、イエローコーナー。世界各国に約110店舗展開し、日本では日比谷と横浜に店を構える。
アートフォトとは、写真家の視点で題材を決め、色調、コラージュなど多様な技法で表現された、アートとして楽しむ写真のこと。イエローコーナーでは、シルバーゼラチンプリントで印刷し、それぞれにシリアルナンバーを刻印。ロット数も限定して、アートフォトをコレクティブなアイテムに高めている。

店内はレコードショップをイメージした内装で、手に取って作品を選べる。「レコードのように何枚も集めてもらいたいです」
「手頃なものだと1万円ほどで購入できます。部屋にアートを飾る習慣のない日本の方々の、エントリーアートになればと思っています」とアマナグループのイエローコーナージャパン取締役、田中愛子さんは言う。
若手から有名写真家まで、契約する200名以上のアーティストの作品を購入できる。その手軽さと品質のよさで、2年前のオープン時、日比谷店は世界中の店舗で売り上げ1位になった。
「アートフォトは積み重ねて陳列し、レコードショップでお気に入りの作品を見つけるように掘りだしてもらいたいですね」

「病院や学校など公共空間に飾ってもらい、温かみのある空間づくりを提案したい」と田中さん。
店舗では、写真を飾る高さや、壁に穴をあける方法など、セッティングの基本も伝えるよう心がけているという田中さん。
「前例のないアイデアもどんどん形にするようにしてきました。日本にアートフォトを根付かせるとともに、日本人アーティストが世界で活躍できるよう後押しをしていきたいです」

日本人アーティストの作品を海外に売り込むことにも積極的。GIRLS DAY / ARTSHOT

この動物モチーフの作品は、売り上げの一部が動物愛護団体に寄付されている。JUMBO / ARTSHOT
Policy of イエローコーナー
1.アートになじみの薄い人のエントリーアートにする
2.アートフォトの価値を高めコレクティブなアイテムにする
3.日本人フォトグラファーを世界に輩出する
イエローコーナー日比谷店
住所:東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷3F
TEL:03-6273-3403
営業時間:11:00~21:00
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