会員制とは、仕事場と家庭以外の“拠点”であり“サードプレイス”、そして、そこは人生を間違いなく豊かにしてくれる。いい大人たるもの持っておきたい、それが現代における最新のメンバーシップだ。今回は、西麻布の会員制バー「Cocktailante Oboro(カクテランテ オボロ)」を紹介する。【特集 会員制という愉悦】
非日常の空間が広がる、西麻布に佇む巌窟(がんくつ)
画材道具があしらわれた扉を開き、アートが飾られた通路を抜けると、洞窟の中のようなカウンターにゴッホの『星月夜(ほしづきよ)』のモチーフ。この異空間に訪れられるのは会員とその同伴者のみ。提供されるのは旬の最高級フルーツを使ったカクテルや、自家製のリキュールによる創造性溢れるカクテルだ。
「いわゆるフルーツカクテルではなく、フルーツを最大限に美味しくするためにお酒を使うという発想でカクテルをつくっています。ベストな食べ頃のものを提供するためには十分な準備が必要なので、必然的に会員制の形をとることになりました」と語るのは店主の山川俊太氏。
宮崎のマンゴーや唐津のみかん、鹿児島のかぼちゃなど、彩り豊かなフルーツたちは、作品になるのを待つように、カウンター横に飾られ、丁寧に管理される。フルーツの味わいを引きだすのに必要なもの以外は使用せず、使うのは鹿児島の山中から汲みだされた天然水やライ麦のウォッカ、そして少々のシロップだけだ。
「店主が場の雰囲気をコントロールしやすいのは会員制のよさのひとつ。いつでも居心地のよい空間をつくれていることに自信はありますね」
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現在、新規会員の募集は行っていないため、来店は会員の同伴のみ。大阪に2号店を準備中で、2023年8月後半よりMakuakeを通じて、大阪の新規会員を募集予定。
Cocktailante Oboro/カクテランテ オボロ
住所:東京都港区西麻布4-1-15
TEL:非公開
営業時間:20:00~翌4:00
定休日:日曜
料金:カクテル¥2,000~、チャージ¥1,000
この記事はGOETHE2023年10月号「総力特集:会員制という愉悦」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら