依然、続く鮨バブル。立ち食いから数ヵ月先も予約で埋まる店まで百花繚乱ともいえる〝東京鮨”のなかで、いま、注目すべきは? 気軽さと実力を兼ね備えた、魅力溢れる店をご紹介! 連載「仕事に効くレストラン」
将来有望な〝次世代〞鮨
東京には都心だけではなく、私鉄沿線にも鮨の実力店は数あるが、そのなかでも最注目なのが『経堂 にし岡』だ。
店主の西岡洋介さんは和食店で働きながら、子供の頃から好きだった魚への思いが募り、鮨職人に転身。26歳という若さだが、その探究心が生みだす握りには〝一流〞の貫禄がある。
魚体の個性を見極めつつ、適切な処理を施して熟成させれば魚はもっと美味しくなると、その方法を日々模索。魚をひと括りにせず、個体として手当てをすることを身上に、鮨ネタを最高の状態まで〝育て〞あげる。
例えば、脂の回りをよくするために1ヵ月間寝かせたサバは酢締めにして2週間ほど置き、酢がなじんで味が落ち着いた頃合いを見計らって握りに。マグロも真空状態で水分を抜き、冷蔵庫のなかで風に当てながら1〜2ヵ月乾燥させ、香りと旨味を最高の状態に引き上げる。
シャリは2種の赤酢に米酢を合わせているが、配合を常に見直し、ネタとの一体感を追求することを怠らない。つまみ7品、握り10貫のコースは食べ進めるごとに期待感が膨らみ〝大物〞を予感させる仕事に心を打たれるはず。まずは店に足を運び、その情熱と才能を感じたい。
経堂 にし岡
住所:東京都世田谷区経堂1-12-1 インナーコート経堂B1
TEL:050-5434-5943
営業時間:18:00~(一斉スタート)
定休日・日曜・祝日
席数:7席
(予約はTORETAでのみ受け付け)