「萬乗醸造」がワインの聖地に足を踏み入れて8年。ようやくリリースされたワインを三つ星レストランでお披露目。その実力やいかに?
三つ星フレンチ、レフェルヴェソンスの料理と合わせ、専門家がその出来を評価
かくして、ブルゴーニュでのワイン造りに挑む日本酒蔵元、久野九平治氏。2016年に初めて仕こんだ「オート・コート・ド・ニュイ」の赤はまだ飲み頃に達していないとの判断でセラーに留め置かれているが、まずは昨年、’17年の「クヘイジ・ブラン」と「同ルージュ」「ブルゴーニュ・ルージュ」「ジュヴレ・シャンベルタン」の4アイテムが満を持してリリースされた。
某日、都内にてそのお披露目の宴が『ミシュランガイド東京 2021』で三つ星に昇格した西麻布の「レフェルヴェソンス」にて、万全な感染防止対策のうえ、ひそかに開催された。ワインへの造詣が深いゲストらは、「醸し人九平次」の日本酒も挟みながら、生江史伸(しのぶ)シェフが生みだすクリエイティヴな料理とのマリアージュを楽しみ、ドメーヌ・クヘイジの8年間の取り組みと、そのワインの出来を称えた。
「お蔵入りの覚悟もあったが、初年度としてのハードルを超えた出来に仕あがってくれた」と、三つ星フレンチと合わせ、専門家がその出来を評価し、久野氏も安堵の表情を浮かべる。
では、ソムリエやワインスクール講師など、ワイン専門家の評価はいかに?
ブルゴーニュの赤は村名クラス以上のレベル
「アリゴテはミネラルがきれいに出ていて、樽使いもうまく、複雑で飲みごたえのあるワインに仕あがっていました。特に辛みや苦みを伴う葉物野菜はアリゴテの酸味と見事なハーモニーでしたね。ブルゴーニュ・ルージュはモレ・サン・ドニかニュイ・サン・ジョルジュの村名以上と間違えそうなレベル。お肉との相性のよさはもちろん、自分ならローストしたアワビにキモソースを添えてお出ししたいです」
素材を生かしたお料理にアリゴテはぴったり
「アリゴテはピュアに洗練されていて、フレッシュな酸、ミネラルと旨みのバランスがきれいに取れていました。レフェルヴェソンスの素材を生かしたお料理との相性は抜群ですね。次に出てきたホタテ貝のお料理とも合わせてみましたが、ワインの酸味が補完的に働いて、これもまた素晴らしいマリアージュでした。ピノとガメイがブレンドされた赤はほんのりスパイシー。山山椒を使ったノドグロのお料理とよく合いました」
白ワインのカリスマ、コシュ・デュリに次ぐ感動
「シャルドネ礼賛の私にとって、アリゴテという選択肢は本来ないのですが、ブルゴーニュ白のカリスマ、コシュ・デュリが造ったアリゴテに次いで感動を覚えました。野菜との組み合わせも新鮮な体験でしたね。赤ではジュヴレ・シャンベルタンが素晴らしかった。ワインはグラン・クリュから格が下がるほどその輪郭がぼやけてきますが、これははっきり。聞いてみたら、斜面上方の畑のブドウだそうで、納得です」
商品の問い合わせは「萬乗醸造」のウェブサイトへ