GOURMET

2021.05.23

美食家が唸った!ドメーヌ・クヘイジのワインお披露目 in レフェルヴェソンス

「萬乗醸造」がワインの聖地に足を踏み入れて8年。ようやくリリースされたワインを三つ星レストランでお披露目。その実力やいかに?

ドメーヌ・クヘイジのお披露目の宴

三つ星フレンチ、レフェルヴェソンスの料理と合わせ、専門家がその出来を評価

かくして、ブルゴーニュでのワイン造りに挑む日本酒蔵元、久野九平治氏。2016年に初めて仕こんだ「オート・コート・ド・ニュイ」の赤はまだ飲み頃に達していないとの判断でセラーに留め置かれているが、まずは昨年、’17年の「クヘイジ・ブラン」と「同ルージュ」「ブルゴーニュ・ルージュ」「ジュヴレ・シャンベルタン」の4アイテムが満を持してリリースされた。

久野氏の狙いを反映したペアリング

「日本酒もワインも、ひとりの醸造家が手がける酒でマリアージュを提案したい」という久野氏の狙いを反映したペアリングが展開された。

「蕪を複雑に火を入れてシンプルに」

生江シェフのスペシャリテ「蕪を複雑に火を入れてシンプルに」には、日本酒「醸し人九平次 別誂」を。

某日、都内にてそのお披露目の宴が『ミシュランガイド東京 2021』で三つ星に昇格した西麻布の「レフェルヴェソンス」にて、万全な感染防止対策のうえ、ひそかに開催された。ワインへの造詣が深いゲストらは、「醸し人九平次」の日本酒も挟みながら、生江史伸(しのぶ)シェフが生みだすクリエイティヴな料理とのマリアージュを楽しみ、ドメーヌ・クヘイジの8年間の取り組みと、そのワインの出来を称えた。

「お蔵入りの覚悟もあったが、初年度としてのハードルを超えた出来に仕あがってくれた」と、三つ星フレンチと合わせ、専門家がその出来を評価し、久野氏も安堵の表情を浮かべる。

アリゴテ100%の「クヘイジ・ブラン2017」に合わせたのは、色とりどりの野菜が美しい「アルチザン野菜」。

では、ソムリエやワインスクール講師など、ワイン専門家の評価はいかに?

 

専門家はドメーヌ・クヘイジをどう見る?

ブルゴーニュの赤は村名クラス以上のレベル
「アリゴテはミネラルがきれいに出ていて、樽使いもうまく、複雑で飲みごたえのあるワインに仕あがっていました。特に辛みや苦みを伴う葉物野菜はアリゴテの酸味と見事なハーモニーでしたね。ブルゴーニュ・ルージュはモレ・サン・ドニかニュイ・サン・ジョルジュの村名以上と間違えそうなレベル。お肉との相性のよさはもちろん、自分ならローストしたアワビにキモソースを添えてお出ししたいです」

市村暢央さん

市村暢央(のぶお)さん
三つ星フレンチ「カンテサンス」の元シェフソムリエ。2018年、「銀座おのでら」のシェフソムリエに就任し、和食とワインとの相性を極める。

 

素材を生かしたお料理にアリゴテはぴったり
「アリゴテはピュアに洗練されていて、フレッシュな酸、ミネラルと旨みのバランスがきれいに取れていました。レフェルヴェソンスの素材を生かしたお料理との相性は抜群ですね。次に出てきたホタテ貝のお料理とも合わせてみましたが、ワインの酸味が補完的に働いて、これもまた素晴らしいマリアージュでした。ピノとガメイがブレンドされた赤はほんのりスパイシー。山山椒を使ったノドグロのお料理とよく合いました」

瀬川あずささん

瀬川あずささん
食レコ代表取締役。J.S.A認定ワインエキスパート/SAKE DIPLOMA、C.P.A.認定チーズプロフェッショナル。ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」の人気講師。

 

白ワインのカリスマ、コシュ・デュリに次ぐ感動
「シャルドネ礼賛の私にとって、アリゴテという選択肢は本来ないのですが、ブルゴーニュ白のカリスマ、コシュ・デュリが造ったアリゴテに次いで感動を覚えました。野菜との組み合わせも新鮮な体験でしたね。赤ではジュヴレ・シャンベルタンが素晴らしかった。ワインはグラン・クリュから格が下がるほどその輪郭がぼやけてきますが、これははっきり。聞いてみたら、斜面上方の畑のブドウだそうで、納得です」

山中 真さん

山中 真さん
ワイン屋さん代表取締役社長。GMOグループのワイン販売会社として2012年に「ワイン屋さん」を設立。GMOインターネットグループ代表・熊谷正寿氏の専属ソムリエでもある。

商品の問い合わせは「萬乗醸造」のウェブサイト

TEXT=柳 忠之

PHOTOGRAPH=滝川一真

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