鮨バブルとも言わんばかりに鮨の価格は現在高騰している。一人3万や5万もざらな鮨業界は、高価格か低価格かという2極化が進んでいる。そんな中、ブルーオーシャンとも言える中価格帯の鮨屋が誕生した。昨年12月にオープンしたばかりの「鮨 おにかい+1」の実力やいかに!?
女性が集う場所に間違いない理由
お鮨は食べたいけれど、超高額か安い寿司かその二択に頭を悩ませる人は案外多いもの。待望とも言える、中価格帯の鮨屋を実現させたのが、2019年11月にオープンした「鮨 おにかい」だった。瞬く間に予約3ヵ月待ちの人気店となり、2020年、徒歩10分ほどの中目黒の好立地に誕生したのが「鮨 おにかい+1(たすいち)」だ。「おいしくて、手頃」というニーズを抜群にとらえ、中目黒ならではの洗練された雰囲気も心憎い。
木のL字型のカウンターに、和紙を使った照明が印象的な店内は、女性客が多く集う。その秘密は、お店のネーミング「+1(たすいち)」に込められた意味が体現されていることにあるように思う。お客さんを喜ばせようとする最後のひと手間がそこかしこに秘められているのだ。そんな手間ひまがかかった15貫の鮨と、3品の小皿料理がついた「おまかせコース」はなんと1万円(税込)! このコースと合わせるべきは、イタリアワインのペアリング(6種5,000円)だ。イタリアワイン・ベストソムリエコンクール(JETCUP)で優勝経験を持つ、ワインソムリエ永瀬喜洋氏監修のワインと鮨のマッチングが楽しい。飲食業界の通例として、繁盛の鍵は女性に握られていると言われるが、まさにその女性の心を満たす心遣いがここにはある。
気軽な雰囲気ながら、手間ひまを惜しまない職人魂
肝心の鮨はというと、正統派の江戸前鮨をベースにしながらもコンセプトは「くずし鮨」。若手職人ならではの柔軟な発想で多彩な手法が繰り出されるとともに、職人のトークも光る。例えるなら劇場型鮨店だ。コロナ禍で改めて貴重だと感じた「食を楽しむこと」を存分に味あわせてくれるのだ。
例えば、瞬間燻製を目の前で行う、スモーキーな香りがアクセントの鯖スモークの握りだったり、、あえて30分煮たあん肝を奈良漬とともにいただく煮あん肝軍艦など、味わいや食感も新感覚。名物である、ミシュラン一つ星の「天ぷらみやしろ」が監修する海老天海苔巻きと、大トロ、中トロ、赤身のトリプルマグロ手巻きは悶絶ものだ。肩肘張らずに鮨を楽しみ尽くしたい! おいしい鮨が食べたい! でも手頃に食べたい! と言う、わがままを聞いてくれるお店だ。おまかせコースと、ペアリングコースでぴったり15,000円! 中目黒のいい塩梅の鮨屋「鮨 おにかい+1」に一度行ったら、癖になるはず。
鮨おにかい+1(たすいち)
おまかせコース 10,000円(税込)
ペアリングコース(6種)5,000円(税込)
TEL:03-3712-5211
〒153-0051 東京都目黒区上目黒3丁目9-5
プラージュメグロ303
営業時間:(完全予約制)Opening Hours
Dinner:18:00~と20:30〜の2部制
定休日:不定休
席数:11席(カウンター)
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