GOURMET

2020.10.28

「鮨 さえ㐂」大阪から上京して銀座でトップを狙う、江戸前鮨の求道者

料理人・職人として30年余りの経験を積んだ熟練の腕前ながら、さらに磨きをかけるために、第二の人生の舞台を東京に移した名店「鮨 さえ㐂」をご紹介。

鮨 さえ㐂

職人の円熟期を最高の舞台で堪能

大阪で17歳から修業をスタートさせた店主・佐伯裕史氏。生粋の関西人ながら、江戸前鮨の粋に憧れ、魚の仕込み、シャリ、握り方など独自に研究を重ねてきた。

36歳で独立、10年で大阪を代表する鮨店として名を馳せつつも、2018年に大阪の店を閉めて京都・南禅寺へ移転。

さらに昨年10月には銀座に出店と、勢いある挑戦する姿勢に驚かされる。

【画像】鮨 さえ㐂

「水貝」は黒アワビの磯の香りと旨みをナガノパープル、プチトマトとともに爽やかにいただく。(料理はおまかせコースの一例)

【画像】鮨 さえ㐂

甘くジューシーなトウモロコシ・ピュアホワイトと毛ガニのほぐし身、ミソの茶碗蒸し。

【画像】鮨 さえ㐂

握りの1貫目は、佐伯氏のスペシャリテ「マグロの漬け」。美しい色合いの最高級のマグロは、修業を始めた頃から付き合いを続けてきた仲卸『石司(いしじ)』より届く。

【画像】鮨 さえ㐂

店主の佐伯裕史氏。最高の江戸前鮨とは何かを真摯に追究しながらも、明るく気さくな人柄、軽快なトークに誰もが魅了される。

「よい魚をもらうために長く通って市場の人と良好な関係を築いたり、日々ネタとシャリのバランスを考えて仕込むなど積み重ねがものをいう仕事。僕はこれからが一番いい時期なんじゃないかな。だから銀座で勝負したい」と佐伯氏。

収量を抑えて栽培した大粒の米と、甕(かめ)で寝かせたまろやかな赤酢によるシャリも格別。

マグロ、コハダをはじめひとつひとつに、江戸前とは何かを改めて学ぶことができる。

【画像】鮨 さえ㐂

ビルの中だが一軒家のような佇まいで造りこまれた落ち着きある空間。カウンターバックは、名左官職人の久住有生氏による土壁。

鮨 さえ㐂
住所:東京都中央区銀座6-3-18 La.La.Grande GINZA 2F
TEL:03-3289-0818
営業時間:18:00~、20:30~の一斉スタート
休業日:日曜・祝日
座席数:カウンター8席
料金:おまかせコースのみ(時価)

TEXT=藤田実子

PHOTOGRAPH=鈴木拓也

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