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2024.08.13

皇居のお濠は「の」の字形。そこに隠された、江戸幕府が約300年続いた理由とは?

生まれ持った霊能力に加えて修行により霊格を上げ、神様とおはなしができるようになった神仏研究家、文筆家の桜井識子さん。桜井さんがすすめる、東京都内の神社仏閣を中心としたスピリチュアルなスポットを紹介。書籍『東京でひっそりスピリチュアル』より、一部を抜粋してお届けします。

江戸城に埋められたすごいパワー

江戸城があった場所には、天海僧正が埋めた「天海パワー」があります。東御苑に入れるのはその江戸城跡に立てるということです。ウキウキしつつ、本丸跡を歩きまわりました。天守台のベンチに座っていたら、スサノオさんが、

「お前の座っているそこが、天海が埋めた力を最大に受け取れる場所だ」

と教えてくれました。たしかに、天守台にいると天海パワーを強く感じられるのです。パワーは本丸跡をぐるりと囲むようにして、点々と土の下にあります。ですから私は、天海さんはパワーを埋めたのだろうと思いました。何十年も、何百年もパワーを持続させるには埋めるしかないからです。

皇居・大手門の枝垂れ桜

最初は、「水晶」にパワーを入れて埋めたのかな? と思いました。水晶は記憶する力が強く、溶けたり、崩れたりしないし、いつまでも土中に残ります。水晶があるかどうか、見えない世界で土の中を一生懸命に探しましたが、そのようなものはありません。

そこで、今度は仏像? と考えました。天海さんはお坊さんです。仏像にパワーを入れ、それを埋めたのかと思ったのですが……これも違うのです。仏像だったら、掘り出される、盗まれることが考えられます。そういうことを避けるために仏像も利用していないのです。

家康公、秀忠公、家光公と、将軍が変わるたびに、天守は建て替えられています。天海さんは、この先建物の増改築もするだろう、建て替えもあるだろう、ということを予想していたはずです。そこを考慮すると、水晶や仏像、他の品物だと、建て替える時に見つかる可能性があり、それで違う方法にしていることが考えられます。

もしも、水晶や仏像を使用してそれが地中から掘り出されたら、その品物に天海パワーがあることを知られてしまうかもしれません。そのような能力を持った人物がいないとも限らないからです。

そうした人物に、万が一天海パワーを使われてしまったら、簡単に天下がひっくり返ります。下手をすれば徳川家は滅亡です。

それを防ぐために、絶対に掘り出されない、盗まれない、見つからないように……というわけで、天海さんは、なんと! 水を利用していました!

特別な水に強大なパワーを込め、本丸を囲むようにして地面に撒いています。地中深く染み込ませているのです。よって未来永劫えいごう、誰にも掘り出されることはありませんし、盗まれる心配もありません。

つまり……天海パワーは永遠に続くものなのです。

前述しましたが、そのパワーとは将軍に対して、この国の民衆が従う、尊敬する、信頼する、慕うなど、反乱や謀反を起こさないように、将軍が国を平らかに治められるように働くものです。

現在もパワーは生きています。けれど、それを手にする方法を誰も知りません。将軍だけが知っていたのです。しかし、どこかでそれがうまく伝わらなくなったみたいです。それで、天海パワーを使わなくなったため、幕府が倒されたようなのです。

(ほり)の「の」の字に隠された意味

私は令和2(2020)年に『にほんの結界 ふしぎ巡り』という本を出しました。その本は神仏のパワーと大地に描いた図形がテーマでした。担当者さんが「面白い図形があります」ということで資料を見せてくれて、それでテーマが決まりました。そこには将門さんの北斗七星や、関西の五芒星があったのです。

資料は何点もあり、私の興味に引っかからないものもありました。そのひとつに、江戸城のお濠があったのです。

江戸城では江戸初期の拡張に伴って「の」の字を書くように、お濠が掘り進められました。「の」の字にしたのは、敵に攻められにくい、火事の延焼を防げるなどの理由が考えられるそうです。

スサノオさんにこの件をお話したところ、これは天海パワーを全国に広めるための図形であると言っていました。

江戸城に将軍のためだけにあるそのパワーは、将軍が地中から受け取って、国中に放出していました。天海パワーは人間が持てるものではありませんし、放出は1回やればいいというものではないため、何回かやっていたそうです。そうしないと効果は持続しなかったらしいです。

地中からパワーを取り出し、それを自分色に染めて(そのパワーが自分のためだけに働くようにして)、全国に放出しなければパワーは効果を発揮しません。江戸城でパワーを身にまとっているだけではダメだったのです。全国の人々にくまなく届けて初めて効果が現れます。

その放出方法が「の」の字に……つまり渦巻として、勢いよく撒き散らす形だったのです。ぶわ~っと日本中に放出することで隅々まで行き渡ります。水に変換して埋めてあるパワーですから、「の」の字のお濠によって水で渦巻の形をつくり、それを利用して勢いをつけていたわけです。渦巻ですから、じわじわとゆっくり広まるのではありません。スピードもあるのです。速やかに思いっきり日本中に広まります。

最初に「の」の字の話を担当者さんから聞いた時は「ふ~ん」でした。偶然「の」の字に見えるのでは? そう見ようと思えば見えるというこじつけなのでは? と思ったのです。たまたま仕掛けがあるように見えるだけで、「の」の字に意味はないように思ったので、取材をする候補から外しました。

これは天海さんが徳川家のために考案したものだったのですね。この天海パワーで江戸幕府は約300年も続いたのです。天海さん、すごい! と思います。間違いなく大天才です。そして、このパワーがある江戸城が現在は皇居であり、スサノオさんがおられる場所となっているのです。

この記事は幻冬舎plusからの転載です。
連載:東京でひっそりスピリチュアル
桜井識子

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