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2024.04.30
ヨーロッパで迫害を受けたユダヤ人が今度はパレスチナ人を追放。イスラエルの成立とパレスチナ難民
欧米を中心とする国際社会がパレスチナ人の土地を勝手にユダヤ人に与え、イスラエルが成立した――ハマスのテロ攻撃の背景には何があるのか? 中東情勢が良くわかる! と話題の書籍『なるほどそうだったのか!! パレスチナとイスラエル』より、一部を抜粋してお届けします。 →初回から読む

イスラエルの成立とパレスチナ難民
シオニストの攻撃によって被害が大きくなると、イギリスはパレスチナの放棄を決める。
イギリスは、第一次世界大戦後に、国際連盟によって委任を受けていたので、国際連盟にパレスチナを戻すのが筋であった。
しかし、第二次世界大戦が起こるのを防げなかった国際連盟は、消滅していた。そして、それに代わる組織として、第二次世界大戦直後に国際連合(国連)が結成されていた。そこでイギリスは、パレスチナの問題を国連に投げ返した。
国連では、1947年にパレスチナの分割が提案された。基本的には海岸部分をユダヤ人に、内陸部分をパレスチナ人に、そしてユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三つの宗教の聖地であるエルサレムを国際管理地域とする内容であった。パレスチナという一つの土地を、ユダヤ人とパレスチナ人が争っているのだから、それを分割しようという発想であった。
国連総会は、賛成多数で、この提案を可決した。国連の決定なので、これを国連決議と呼ぶ。この可決に当たっては、ユダヤ人に同情的な国際世論の存在が大きかった。シオニスト側は、この決議を受け入れ、1948年にイスラエルの建国を宣言した。
逆にパレスチナ人や、周辺のアラブ諸国は、この決議を拒絶した。そもそもパレスチナ人の土地であるパレスチナの半分を、欧米を中心とする国際社会が勝手にユダヤ人に与えるというのは、現地の人々には受け入れられなかった。しかも、この時期までにシオニストたちがパレスチナで所有していた土地は、ほんのわずかであった。にもかかわらず、それよりもはるかに広い土地をシオニストに与える決議は不公平であった。
次の、イスラエル建国の2年前の1946年のパレスチナにおける土地所有を示す地図を見ていただきたい。シオニストの所有していた土地が白く示されている。この当時、わずかな割合にしかすぎなかったのが確認できる。

ところが1947年の国連の分割決議は、パレスチナの55パーセントをシオニストに割り当てていた。人口を見ても、ユダヤ人の人口は65万であり、パレスチナ人は100万を超えていた。つまり、少ない人口の方に半分以上の土地を与える内容である。これではパレスチナ人が決議に反対するのも当然である。次ページのイスラエル建国前の土地所有の地図と、更に次のページの国連分割決議案の地図を見比べると一目瞭然である。

そして、パレスチナ人を支持する周辺のアラブ諸国の軍隊が、イスラエルを倒すために介入した。しかし、シオニストたちは、これを打ち破り新生イスラエルを守った。
この戦争を第一次中東戦争と呼ぶ。戦争が終わったときには、イスラエルは、国連決議が割り当てた以上の土地を支配していた。その支配地域は、次ページの地図の白色の部分のようになる。

パレスチナ全域の約78パーセントをシオニストが制圧した。残りの22パーセントは、西南のガザ地区と、北東のヨルダン川西岸地区である。ガザ地区はエジプトが、ヨルダン川西岸地区はヨルダンが支配下に置いた。
こうしてシオニストの夢が実現した。そして、パレスチナ人の故郷の喪失という悪夢が始まった。イスラエルの成立時、多くのパレスチナ人が自分たちの土地から追放された。その数は、75万人であった。

ヨーロッパで迫害を受けたユダヤ人が、パレスチナにイスラエルという国を創り、その結果として、もともとパレスチナに住んでいた人々が故郷を失った。
そして、ヨーロッパ諸国は、イスラエルを支援した。考えてみればヨーロッパで迫害を受け、ヨーロッパの外に国を創ったユダヤ人は、被害者とも言える。
また、その被害者がパレスチナ人を追い出し加害者となった。ヨーロッパ人は、パレスチナ人のつけでユダヤ人への借りを返した形である。
そして、もちろん最大の被害者は、パレスチナ人である。たとえてみれば、ユダヤ人がヨーロッパ人に二階から突き落とされた。そしてちょうど、そのときに下を通りかかったパレスチナ人の上に落ちた。そのような風景であろうか。

「燃える家の二階の窓から飛び降りたら、下を通りかかった人がいて、その人がケガをした」──あるイスラエルの平和活動家は、そういうふうに状況をたとえた。
燃える家はヨーロッパであり、しかたなく窓から飛び降りたのがユダヤ人であり、巻き添えでケガをしたのがパレスチナ人である。
* * *
この続きは書籍『なるほどそうだったのか!! パレスチナとイスラエル』でお楽しみください。
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