2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選する連載「意欲的新作ウォッチ」! 第123回は、タグ・ホイヤーの「タグ・ホイヤー モナコ キャリバー ホイヤー02 パープルダイヤル リミテッドエディション」を取り上げる。【過去の連載記事】
世界限定500本のパープルダイヤルが話題!
角型時計の代名詞のひとつであるタグ・ホイヤー「モナコ」は、同社のアバンギャルドな精神を最も体現するコレクションとして、腕時計やファッションをこよなく愛する人々の間で長年支持されている。
腕時計の歴史において、1969年とは、重要なターニングポイントとなった1年であり、奇しくも3つの自動巻きクロノグラフ専用ムーブメントが発表された。そのひとつが、ホイヤー(現タグ・ホイヤー)が他の時計ブランド3社との協力によって開発した"クロノマチック"と呼ばれるキャリバー11である。同年にリリースされた最初期のモナコ Ref.1113Bは、この自動巻きムーブメントが搭載されており、左リュウズ仕様であった理由はここにある。当時の技術では難しいと言われていた角型の防水ケースを備えていたことも「モナコ」の大きな特徴に挙がる。
モデル名からも分かるように、「モナコ」の名は、F1世界選手権のレース「モナコグランプリ」にちなんで名付けられている。この角形時計が世に知られるようになったきっかけは、1971年に公開された映画『栄光のル・マン』で主演のスティーブ・マックイーンが劇中で着用したことにある。これが追い風にはなったものの、セールスはヒットには及ばず、「モナコ」は生産を終了してしまう。それから数十年後、「モナコ」は復活を遂げ、数々のバリエーションを展開しながら現在のポジションを築き上げた。
さて、こちらで紹介する「タグ・ホイヤー モナコ キャリバー ホイヤー02 パープルダイヤル リミテッドエディション」は、「モナコ」の伝説を彩ったヴィンテージウォッチにインスピレーションを得て、製作された世界500本の限定モデルだ。
このモデルの印象を決定付けるパープルダイヤルは、初代モナコなどの真鍮のダイヤルの上にメタリックブルーの塗料をあしらった仕上げから生まれる経年変化を参考に考案されたものだ。
さらには、中央から外周に向かって色が濃くなるサンレイ加工のグラデーション、ブラックオパーリン仕上げの2つのサブカウンターによって、ヴィンテージと似て非なる独特の表情を作り出した。
スクエアケースに収められた自社製クロノグラフ専用ムーブメントキャリバーホイヤー02のコラムホイールや、アリゲーターストラップの裏地などにもパープルのカラーリングを施した。
言うなれば、このモデルのシグネチャーである美しいパープルカラーは、立ち止まることなく挑戦し続けるタグ・ホイヤーの革新性を象徴するものだ。不世出の角型時計「モナコ」はいつの時代も変わらず、男性の腕元を飾るアクセサリーとしての輝きを放っている。
問い合わせ
LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL:03-5635-7054