春は新作時計の季節。ジュネーブで開催された「ウォッチズ&ワンダーズ」で発表された腕時計から、“ART”のキーワードに合わせて注目モデルをセレクト。新しい時代の時を刻むにふさわしい、刺激的な時計たちが揃っている。特別な技術やスタイルを持っている時計に、多くの説明は不要。画期的で前衛的で個性的な時計たちは、驚きに満ちており、周囲の人々も楽しませる超一流のエンタテイナーでもあるのだ。
世界中の腕時計フリークが注目する展示会「ウォッチズ&ワンダーズ」
今、高級時計は大変なブームとなっている。もちろん希少性がもたらす"資産価値"も無視することはできないが、それだけでなく人々の時間に対する価値の変化が、時計に対する情熱と結びついているようにも思える。
かつては当たり前だった会食やパーティも、昨今は貴重な交流の場となり、気の置けない友人たちと会う機会も、惰性ではなく、心躍るイベントとなった。これまでなら淡々と流れ去っていた時間が特別なものとなったからこそ、その時間を美しく彩る時計を手に入れたくなる……。それはごく自然なことかもしれない。
だからだろうか? 今年開催された新作時計の展示会「ウォッチズ&ワンダーズ」では、デザインや機構に凝った"アメージングな時計"や気品溢れる"ロイヤルな時計"が目立ち、ブランドを代表する"トラディショナル"な定番モデルであっても、時代に合わせてアップデートされている。
こういった時計たちは、人類共通の感動の琴線にふれるものでもある。それはすなわち、時を刻む“ART”と言えるだろう。この2022年を、感動的な一年にするための重要なピースがここにある。
ロレックス
ロレックスを代表するGMTウォッチの新作は、なんとカレンダーとリューズが9時位置側に移動している。さらにグリーン×ブラックのセラミック製ベゼルも新カラー。お馴染みなはずなのに、どこか新鮮だ。
ウブロ
ウブロのアイコンといえば、2005年にデビューした「ビッグ・バン」だが、今年はそのデザインコンセプトを踏襲したスクエアモデルが誕生。角形ラグジュアリースポーツという新たなインパクトウォッチの誕生だ。
ヴァシュロン・コンスタンタン
ヴァシュロン・コンスタンタンの創業222周年となる1977年に生まれた傑作が、復活を果たした。ラグジュアリースポーツウォッチが人気だが、このモデルはその最前線に躍りでることだろう。
シャネル
今年のカプセルコレクションは、CHANELの6文字をテーマに展開。「J12」ではベゼルとダイヤルを横断してロゴを配置する大胆なスタイルを提案。
ピアジェ
わずか2mm厚の極薄ウォッチが完成した2017年2月7日にちなんだモデルで、ダイヤルにはピアジェ創業の地であるラ・コート・オ・フェの夜空をイメージした星が描かれている。
エルメス
9時位置のプッシュボタンを押すと、時分針がついたモバイルカウンターが移動し、都市表示と組み合わせて24都市の現在時刻を表示。12時位置にはホームタイムを表示し、ロマンティックだが機能的。
グランドセイコー
動力を一定に伝えて高精度を持続させるコンタントフォース機構を、トゥールビヨン機構と同軸上に配置した世界初の複雑時計。グランドセイコーの名を世界に轟かせた。