2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選! 連載第107回は、ロレックスの「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」を取り上げる。連載「意欲的新作ウォッチ」
誰もが予想だにしなかった「GMTマスター Ⅱ」の次なる進化
ロレックスから2022年の新作として発表されたオイスタースチール製の「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」。このモデルでは初となるグリーン☓ブラックのツートーンのセラミック製モノブロックセラクロムベゼルインサート以上に注目を集めたのは、ケースの左側に備えたリューズ及びリューズガードにほかならない。
1955年にパイロットの要望に応えるために開発され、またパン・アメリカン航空会社などの公式時計として採用されていた「GMTマスター」の歴史を辿ると、左リューズの採用は初めてのことではないようで、最初期のモデルで確認することができる。これらの時計と最新作との大きな違いは、日付表示とサイクロップスレンズを3時位置ではなく、9時位置に移動させたことにある。
そのため、現行モデルと同じく自動巻きムーブメントはCal.3285を搭載しつつも、スーパラティブ クロノメーター(高精度クロノメーター)の精度テストは工程を変更しなければならなかった。2015年にロレックスが再定義したこの独自の精度基準は、スイス公認クロノメーター検査協会(COSC)によるムーブメントの公式認定の後に、完全に組み立てられた時計の状態で手首着用時に精度、パワーリザーブ、防水性能と自動巻きの認定検査を自社内で行い、精度については平均日差が-2~+2秒以内に調整される。
こうして左リューズ仕様という新たなスタイルを手にした「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」は、ナビゲーションツールとしての機能を完璧に満たしている。1982年の「GMTマスター Ⅱ」へのモデルチェンジによって手に入れた独立して操作できる24時間針は、両方向回転ベゼルと併用することで、ローカルタイム(現地時刻)、ホームタイム(基準時刻)、またはローカルタイムと別のタイムゾーンと2つのタイムゾーンの時刻を同時に表示することが可能である。
ロレックスらしい防水時計としてのスペックも忘れてはならない。40mm径のオイスターケースは100mまでの防水性能が保証されている。ミドルケースに用いたオイスタースチールは耐食性に優れており、縁に細かい刻みが入れられたケースバックは専用の工具で厳重に密閉されている。ケース一体型のリューズガードで保護された三重密閉構造の防水システムを搭載したねじ込み式のトリプロックリューズは、言うまでもなく防水性能における要となるパーツに違いない。さらには、耐傷性に優れたサファイアクリスタイル製の風防が持つ気密性も防水性能の向上に一役買っている。
3列リンクのオイスターブレスレットもこのモデルのスタイリングを完成させるうえで必要不可欠な存在だ。ロレックスが特許を取得したセーフティキャッチ付きオイスターロッククラスプは、ブレスレットが誤って開くことを防ぐ機能だけでなく、独自に開発したイージーリンクも備えており、ブレスレットの長さを約5mm延長することができる。
ご存知のようにロレックスは、何時いかなる時も果敢に挑戦し続けることで、時計製造の歴史を塗り替えてきた。プロフェッショナルウォッチとしての進化を追求することで生まれた「オイスター パーペチュアル GMTマスター Ⅱ」の新たなスタイリングは、これまでの傑作と同じように時代を超越したスタンダードになり得る可能性を多分に秘めている。
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日本ロレックス TEL:0120-929-570