WATCH

2021.12.22

究極の上を行くパテック フィリップの世界限定15本のチャイムウォッチ

2021年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選! 連載第90回は、パテック フィリップ《アドバンストリサーチ》フォルティッシモ 5750Pを取り上げる。

従来のミニット・リピーターの限界を突破した世界15本の限定モデル

先日、誰もが予想だにしなかったノーチラス Ref.5711/1Aのフィナーレを飾る、ティファニーとのWネームモデルの発表で世界中に衝撃を与えたパテック フィリップ。2021年は少数精鋭という言葉に当てはまる話題作の発表が続く中、最後の最後で超絶なチャイムウォッチがヴェールを脱いだ。

数ある複雑機構の中でも最も設計の難易度が高い分野のひとつがチャイム機構であり、パテック フィリップは業界随一だと言っても過言でないミニット・リピーター搭載モデルの多彩なバリエーションを擁するブランドとして名を馳せている。

長い沈黙を破り、1989年からパテック フィリップは腕時計式のミニット・リピーターの製作を再開したのだが、その核になったのが、自動巻きムーブメントCal.R 27であった。この機構で新たに開発したシステムは、優れた音質と可能な限り小さなサイズを維持したまま、チャイムの音響を増幅する方法であり、振動膜の代わりに厚さ0.2 mmのサファイヤクリスタル製のウェーハーを振動させるというアイデアを編み出した。さらにウェーハーの中央に、ステンレススチール製のフレキシブルな懸架式サウンドレバーを取り付けることで大きな音響を発生させることを可能にした。

パテック フィリップ《アドバンストリサーチ》フォルティッシモ 5750Pは、その上を行くチャイム機構を搭載した世界15本限定での発売となるスペシャルエディション。

世界限定15本。自動巻き、PTケース、径40mm。時価

2005年に設立されたパテック フィリップ《アドバンストリサーチ》とは、スペシャリストを集め、最新の技術リソースを完備し、時計製造における高度な研究を行う部門であり、同社の技術革新を担っている。彼らがこの限定モデルに導入した《ƒƒ》(フォルティッシモ)モジュールとは、従来のミニット・リピーターと異なり、ケースの素材に関わらず、同じ音質と大きな音量を保つことができる最新鋭の音響システムである。それを実証するために、ケースには密度が高いことから最も音がこもりやすく、ミニットリピーターのケース素材としては難易度の高いプラチナを採用している。

プラチナ製ケースの証であるケース側面の6時位置のダイヤモンドセッティング。

このモデルならではの放射線状のモチーフを採用した文字盤はヴィンテージカーのスポークホイールから着想を得ている。同一のデザインで統一した6時位置のスモールセコンドは、小さなマーカーが秒針の役割を果たすディスクによって構成されており、ダイナミックな視覚表現を楽しむことができる。

ホイールのように回転する6時位置のスモールセコンド。

ケースバックではCal.R 27 PSのほか、「ADVANCED RESEARCH」の刻印が確認できる。

サファイアクリスタルのシースルーバックを覗くと、このモデルのために特別にアレンジされたCal.R 27 PSのプラチナ製のハンマーや偏心マイクロローター、音叉型のサウンドレバーなどが見受けられる。

製造本数が極端に少ないことも含め、世界中の時計愛好家から羨望を集める究極のコレクターズピースがまたひとつ加わった。

問い合わせ
パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL:03-3255-8109

TEXT=戸叶庸之

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ1月号』が2024年11月25日に発売となる。今回の特集は“シャンパーニュの魔力”。日本とシャンパーニュの親和性の高さの理由に迫る。表紙は三代目 J SOUL BROTHERS。メンバー同士がお互いを撮り下ろした、貴重なビジュアルカットは必見だ。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる