超複雑機構の代名詞トゥールビヨン。その生みの親である天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲの偉業を記念するローンチイベントにて発表された新作をリポートする。
1200年以上の歴史を持つ「音羽山 清水寺」で新たな時代の扉が開く
アブラアン-ルイ・ブレゲによって発明されたトゥールビヨンは、垂直方向の重力を分散させることで姿勢が変わっても高い精度を保つために開発された複雑機構であり、近年では腕時計におけるステータスシンボルとして広く知られるようになった。
ブレゲがトゥールビヨンを開発してから220年を数えるアニバーサリーイヤーを記念し、10月28日に世界遺産に登録されている京都の「音羽山 清水寺」を会場にしたローンチイベントにて、新作「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット アニバーサリー 5365」 が発表された。
当日は、若くしてフランスの人間国宝 メートル・ダールに選ばれた扇作家のシルヴァン・ル・グエン氏が手掛けたトゥールビヨンをテーマとした作品や、パリのブレゲミュージアムが所蔵するトゥールビヨンを搭載する1812年製の懐中時計「No.2567」が日本で初めて披露された。
本題に入ると、トゥールビヨンの誕生220年を記念する限定モデル「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット アニバーサリー 5365」は、アブラアン-ルイ・ブレゲが存命中に製作されたトゥールビヨンの個数に合わせて35本のみの販売となる。
エッセンシャルなデザインを目指した本作は、ブレゲが誇る多彩なトゥールビヨンのライナップにおいて最もクラシックな分類にあたる。左右非対称にレイアウトされたダイヤルには、ブレゲ自慢のギヨシェ装飾が施されており、ブルースチールが用いられた5時位置のトゥールビヨンブリッジは控えめでありながらも主張が感じられる。
ムーブメントの外周にローターを配したペリフェラルローターを採用した自動巻きムーブメントは、ケースの厚みを抑えるために欠かせないものであり、これによって独自のエレガンスが生まれる。ケースバックには、各時計の個別番号とともに、香箱に「Anniversaire 1801-2021」、トゥールビヨンの下部ブリッジには 「Brevet No 157 Du 7 Messidor An IX」の文字が刻まれている。さらに、ムーブメントの右側には、1801年にアブラアン-ルイ・ブレゲがトゥールビヨン・レギュレーターの特許登録に際して用いた水彩による機構図の原画が彫金で忠実に再現されている。
1200年以上の歴史を持つ由緒ある寺院にて発表されたアニバーサリーモデルは、伝統と革新を重んじるブレゲらしい究極のタイムピースである。これまでの製作されたトゥールビヨンモデルと同様、ラグジュアリーの真髄を極めたタイムピースとして後世にまで継がれていくことになるだろう。
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