2021年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる"活きのいい"モデルを厳選! 連載第60回は、パテック フィリップの「カラトラバ」の最新作を紹介する。
次世代を担う新たなカラトラバ・スタイルとは?
「ノーチラス」の衝撃的なニュースとともに、ウォッチズ&ワンダーズ 2021の話題を席巻したパテック フィリップ。ブランドの代表作である「カラトラバ」からも待望の新作が登場した。
「カラトラバ」の伝説は1932年のRef.96からはじまった。「機能がフォルムを決定する」というバウハウス運動のミニマリズムの原則を反映して設計されたわずか30mm径ほどの小ぶりのラウンドウォッチは、"あらゆる腕時計の模範"と言われるほどの評価を受けている。
「カラトラバ」の歴史において、1934年のRef.96Dはベゼルにギヨシェ装飾によるクルー・ド・パリ(ホブネイル・パターン)を施した特異なスタイルが絶大な支持を集め、その系譜を受け継ぐ数多くの派生モデルが登場している。
2009年のRef.5116を最後にレア・ハンドクラフト・モデルを除き「カラトラバ」では久しくクルー・ド・パリの採用が見られなったが、Ref.6119の登場によって待望の復活を遂げた。
スリムな39mm径のラウンドケースには、今年新たに加わった最新の手巻き式ムーブメントCal.30-255 PSが搭載。ラグの形状は過去のカラトラバ・スタイルを参考に、快適な装着感を約束する美しいカーブを描いている。
視認性に優れたスモールセコンド仕様の文字盤には、ファセット仕上げの18Kゴールドの植字オビュ(弾丸)型インデックス、ドフィーヌ型時・分針などのRef.96を彷彿させるディテールが随所で見受けられる。それでいて懐古主義とは明らかに趣の異なるモダンな印象にまとめているのが、いかにもパテック フィリップらしい。
Ref.6119には、2つのバリエーションがある。そのひとつは、ローズゴールドケースとグレイン仕上げのシルバー文字盤の組み合わせによるクラシックなスタイル。もう一方のホワイトゴールドケースでは、縦サテン仕上げと同心円模様のサブダイヤルを合わせ持つチャコールグレーの文字盤を取り入れている。
フォーマルのみらず、カジュアルアップの心強い味方にもなる、パテック フィリップの新しいドレスウォッチの名を覚えておいて損はない。
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パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL:03-3255-8109