2021年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる"活きのいい"モデルを厳選する! 連載第55回は、パテック フィリップの'21年最新作から「ノーチラス」を紹介する。
オリーブグリーン・ソレイユ・ダイヤルで生まれ変わった最人気モデル
例年にも増して話題性の高い時計が数多く発表されたウォッチズ&ワンダーズ 2021。その中でも衝撃的なニュースになったのが、言わずと知れたパテック フィリップのスポーツウォッチ「ノーチラス」の新作だろう。メンズ・レディス合わせて、新たに全4型がラインナップに加わった。
ノーチラス生誕30周年記念を祝うモデルとして2006年に登場したRef.5711/1Aは、パテック フィリップが切り開いた新しいスポーツウォッチの文脈を受け継ぐ1本である。これまでブルーとホワイトの2色のダイヤルが展開していたが、先日製造中止のアナウンスが流れたことから様々な噂が飛び交っていた。
多くの期待に応えるべくパテック フィリップが導き出した答えが、オリーブグリーン・ソレイユ・ダイヤルの採用だった。いち早くグリーン系のダイヤルカラーに着目していたパテック フィリップは、すでにいくつかのモデルで展開しているが、Ref.5711/1Aとの組み合わせはとにかく新鮮に映る。その上をゆくハイグレードモデルとして、ベゼルに約3.6カラットのバゲットダイヤを施したRef.5711/1300Aが用意されている。
「ノーチラス」の圧倒的な支持によって、ステンレスケース☓ブルーダイヤルのスポーツウォッチを定着させたパテック フィリップが満を持して提案したグリーンダイヤルが、これから大きな影響を及ぼすことは想像にたやすい。
優れた実用性も兼ね備えたローズゴールドを纏うクロノグラフ
Ref.5711/1Aのリニューアルにも驚かされたが、トラベルタイムとフライバック・クロノグラフ、現地の時刻表示を携えたRef.5990/1のローズゴールド・バーションの登場も多くの人々にとって予想を裏切る展開だったと言えるだろう。
ここで注目したいのが、いかにもパテック フィリップらしいブルーダイヤルへのこだわりである。これまで「ノーチラス」では多くのブルーダイヤルを採用してきたが、その仕様はモデルによって異なるアレンジを施してきた。
今回の新作では、ローズゴールドにマッチする落ち着いたトーンのブルー・ソレイユ文字盤を採用することで「ノーチラス」が提唱し続けるカジュアル・エレガンスを的確に表現している。
もうひとつ特筆すべきは、スポーツウォッチならではの優れた実用性である。3つの複雑機構を持つゴールドウォッチでありながら120mもの防水性能を備えている点はユーザーへの信頼の証だと言っても過言ではない。
最強の名を欲しいままにする「ノーチラス」の快進撃は、高級時計界のカジュアル化をさらに加速させるほどの勢いが感じられる。
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パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL:03-3255-8109