「日本の経営に、世紀の躍進を。」をビジョンに掲げ、事業承継だけでなく、成長の選択肢としてのM&Aを提案する「M&Aベストパートナーズ」。そのイメージキャラクターを務めるのが、数々の名馬をパートナーに、長きにわたりトップを走り続ける騎手、武豊氏だ。競馬とM&Aの意外な共通マインドと、レースそしてビジネスにおいて高みに導いてくれるパートナーの存在について考える。

馬を通してたくさんのパートナーに出会ってきた
1987年のデビュー後、瞬く間にトップ騎手となり日本中にその名を轟かせた武豊氏。通算勝利数は中央4,567、地方212(2025年3月現在)。前人未到の勝利数を収めながら、今もなお勝ち続けている唯一無二のアスリートだ。
その武氏がスーツ姿で、名刺を持って営業に回る――。
製造・建設・不動産・医療ヘルスケア・物流・ITの業界特化型M&A仲介会社「M&Aベストパートナーズ」のそのCMを見たことがある人も多いだろう。武豊×営業という、意外なコラボレーションが生まれた理由とは? 企業の右腕となり、ともに会社を成長させるパートナーを見つけるM&Aベストパートナーズで取締役を務める高木翔太氏とともに、現役生活39年目を迎えた武氏の成長を促してくれた仲間の存在を訊く。

1969年京都府生まれ。17歳で騎手デビュー。デビューの年に新人最多勝記録(当時)を更新し2年目の菊花賞でG1を制覇。以来、18度の年間最多勝利騎手、地方海外含め100勝以上のG1制覇(歴代最多)など、数々の伝説的な最多記録を持つ。2005年には、ディープインパクトとのコンビで皐月賞、日本ダービー、菊花賞を制し、史上2例目となる無敗での牡馬3冠を達成。2023年には、前人未到のJRA通算4400勝を達成、2024年にはジャパンカップで優勝を果たした。
――「営業マン」というコンセプトのCM撮影はいかがでしたか?
武豊(以下武) 実は、この撮影で生まれて初めて名刺を作ってもらったんですよ。名刺の持ち方、渡し方もわからなかったので教えていただきまして、いい経験になりました。
高木翔太(以下高木) 武豊さんが馬というパートナーを得て活躍されている現在の世界と、営業マンとして経営者に寄り添っているという想像の世界。CMでは、そのふたつの姿を表現させていただきました。経営者の方たちは、年代の近い武さんが第一線で戦い続ける姿から常に刺激を受けています。それに騎手は馬や馬主、調教師など、さまざまな方と信頼関係を築きレースという戦いの場へ出ていかれる。まさにパートナーとともに輝く存在で、私たちの事業の理想であると考え、ご出演いただきました。
武 あのCMを見た方から「うちで営業やってみませんか」なんて声をかけられたりして、「いや、あれはコマーシャルで本業は騎手でして…」って断りましたけど、それくらいしっくりきていたんですかね(笑)。
高木 そんなことが!? 武さんは常に体幹を鍛えられ背筋を伸ばしていらっしゃいますから、営業マンとしてもビシッとして見えるんですよね。
私たちは企業のパートナーとなって、その企業の成長のためにM&Aが必要なのか、そこから一緒に考えたうえで、相手として相応しい企業を仲介しています。武さんにとって、自分を成長させてくれた仕事のパートナーというのはやはり数々の名馬たちでしょうか。
武 そうですね。騎手って決してひとりではなれないんですよ。馬の存在がなければ、そしてその馬に乗せてくれる馬主さんがいなければ。さらに馬はレースに出るまで最短でも生まれてから2年半はかかります。調教師の方は、馬が生まれたその日からずっとお世話をしているわけですよね。レースのたびに、いろんな方の力があってこの日があるのだなと毎回感じています。馬を通してたくさんのパートナーに出会わせてもらえている、そんな気持ちですね。

1991年東京都生まれ。LINEにて、LINE MUSIC、LINEショッピング、LINEトラベルjpなどの新規事業の立ち上げを担当し、企画、営業、マーケティング活動を推進。2020年、出前館との資本提携を契機に出前館のマーケティング部長に就任。2022年にはM&Aベストパートナーズに参画し、現在は取締役CMOとしてグループ全体のマーケティング戦略を統括している。
高木 武さんは、ディープインパクト、オグリキャップ、キタサンブラックなど、競馬に詳しくない人でも知っているくらいの名馬たちをパートナーとして戦ってこられましたね。
武 はい。その点で私は騎手として本当に恵まれていると感謝していますし、名馬とともにレースに出られたことを誇りに思っています。この馬と一緒に勝ちたい、そのために何ができるのかを常に考えてきましたし、それこそが騎手としてのやりがいなんです。
そもそも馬とは会話ができません。彼らは「今日は体調がよくない」とか「レースに行きたくない」と言うことはできないですから、いつも最大限馬のほうを見て、彼らを気遣うようにしています。その結果、無理に走らせないという決断をすることもあります。
でもね、競走馬って、やっぱり走るのが好きなんです。ゲートを出ない馬はいない。そんな彼らにいかに気持ちよく走ってもらうか、それを追求することが僕らの仕事だと思っています。
互いをリスペクトするからこそ成長できる
――人間同士は言葉を交わすことができますが、高木さんはM&Aの仲介としてクライアントとどのようなコミュニケーションを心がけていますか?
高木 M&Aというと後継者がいらっしゃらない会社からの問い合わせが多いと思われがちですが、私どものクライアントの半数以上が60歳以下の現役世代で、売り上げが10億以上の企業も4割程度あります。皆さん会社が成長するためにM&Aを考えていらっしゃるんです。ですから私たちは常に、クライアントの強みと課題を見つけだし、さらなる発展ができるような視点を持ってお話しすることを心がけています。コミュニケーションの面でいえば、弊社は製造・建築・不動産などの業種に特化しているため専門知識があり、企業の悩みを深く具体的に掘り下げて一緒に考えられることが強みだと自負しています。
武 しっかり話し合えるのはいいですね。私は馬とは話せませんから、常に気をつけていることがあります。それは「馬をわかった気にならない」ということ。「この馬はこういうものだ」と決めつけず、馬が発するメッセージを常に見逃さないようにしています。
高木 相手を決めつけない、わかった気にならない。とても大事なことですね。私たちも企業や人をじっくり見て、場合によってはM&Aが最適解ではないというお話をしたりすることもあります。M&Aを進めていく場合は、クライアントと相性がいい会社を見極めご提案します。
――「パートナー」といい関係を築けたなと感じた瞬間はありますか?
武 私の場合は、やはり勝てた時ですね。いくら自分が気持ちよく走れても前に数頭いたら1着ではない。馬と自分の力を出しきれてやっと1着が取れるわけですから。でもたとえ勝てたとしても、常に思うんですよ。「この馬のためにもっとできることがあったのではないか」と。だからこそ、次のレースでもっと頑張りたいと思う。それがあるから、長い間戦ってこられたのかもしれません。
高木 1着の時は、馬も誇らしげな表情をしているように見えますよね。

武 そうですね。だから、一緒に戦う馬にもそういう経験をさせてあげたいなって。例えば、競馬に携わる人にとって最高の栄誉といわれているのが、日本ダービーで勝つこと。競走馬は毎年8000頭産まれるといわれていて、このダービーのゲートに入れるのは18頭、そして勝てる馬は1頭しかいないわけです。すごいことですよ。だから自分がダービーに勝ちたいというより、この子を勝たせてあげたい、その思いのほうが大きいんです。
高木 私たちもやはり、企業の役に立てたと思える瞬間ですね。最近の事例ですと、関東に進出したものの、うまく行かず事業を撤退させた地方の建設会社がありました。その会社には、すでに関東で結婚し生活基盤を築いていた社員もおり、従業員のため、また会社の成長のためにも、再度関東でチャレンジする必要があると考えていました。そこで、全国規模で建設事業を展開する企業とのM&Aを目指して動きだし、その結果、ついに関東エリアへの再進出が決まり、かつて関東で働いていた社員たちも戻ることができるようになりました。社員からの喜びの声を聞いた時、私たちも本当に嬉しく感じました。
武 どんな仕事も誰かと一緒に喜べること、そこに醍醐味がありますよね。私の場合は1着を取れた時はやっぱり、調教師さんたちと喜び合うし「ありがとう」と言い合います。レースに出るたびに、馬をめぐるすべての人に感謝する。その背中に乗せてもらうたびに、そういう人たちへのリスペクトがいっそう増すんです。だから騎手っていう仕事は楽しいし、まだまだ続けていきたいって思えるのかな。
高木 リスペクトは大事ですね。M&Aに対して、買った企業が強くて買われた企業が弱いなんてイメージを持っている人もいらっしゃいます。でも本来は強い弱いはなくて、売る側も買う側も対等に、そしてお互いをよく知って尊重し合わないと、成長につながらないんです。
2033年の第100回日本ダービー出場を目指して
――それぞれの今後の目標を教えてください。
武 馬と馬に携わる人に、次はどうやったら勝てるかを教えていただきながら続けていたら、あっという間に38年が過ぎていました。でも、まだまだ勝ちたい。成長したい。またこの馬に乗せてもらえるなら、今度は何ができるか。ゴールした瞬間から、いつも次のレースのことを考えています。
そして、もっともっと競馬の面白さ、素晴らしさを多くの方に知ってもらいたい。騎手という表に立つ仕事をしている以上、競馬の魅力を伝える使命をもっと果たしていきたいと思っています。
高木 「さらに競馬をメジャーなものに」と考える武さんと同じように、我々も、企業の成長の手段としてのM&Aをもっと世の中に知ってもらうことが目標です。武さんにご出演していただいたCMも、その大きなステップとなりました。
武 競馬もM&Aもイメージが悪いですからね(笑)。ドラマで「お父さんの会社が買収された」とか「お父さんが家のお金を全部競馬に注ぎこんだ」とか。お互い、そういうイメージを変えたいですね。
高木 そうですね。私もいちファンとして、武さんには第100回日本ダービーで騎乗する姿を世間に見せていただき、もっと競馬をメジャーに、世の中を元気にしてほしいです!
武 第100回は2033年ですね。それは、ぜひ乗りたいと思っています。お互い頑張りましょう!

パートナーを思いその成長を考えることで、自身も強くなれる。
長きにわたりトップランナーとして走り続ける武氏のその哲学は、M&Aにも、そしてすべてのビジネスパーソンにも通じるものだろう。
問い合わせ
M&Aベストパートナーズ TEL:03-6268-0534