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2022.10.20

中田英寿がタッグを組む、日本茶の味わいを言葉に翻訳するソムリエ・大越基裕

日本茶の窮地を救うため、立ち上がった5人の男。リーダー・中田英寿が信頼を置く、各ジャンルのプロフェッショナルたちを紹介する。2人目はソムリエの大越基裕氏。

大越基裕

お茶の味わいをつくるのは旨味・渋味・苦味のバランス

「食中茶は、お茶の旨味が強いと飲み飽きてしまうので、旨味が強すぎないものが適しています。アタックの美味しさだけでなく、余韻もきれいに終わるキレが重要です」

明快な言葉で解説する大越基裕氏は、ペアリングを重視するソムリエだ。専門はワインだが、以前からお茶にも興味を持っていたのは「ノンアルコールのゲストにも食べ合わせの妙を楽しんでほしい」と考えていたため。大越氏が日本茶プロジェクトに参加して最初に行ったのは、中田氏、櫻井氏とともにお茶のテイスティングを繰り返し、意見を擦り合わせる作業だった。

「味わいの骨格をつくるのは旨味・渋味・苦味のバランスで、茶葉の品種や製造方法が影響します。でも、味わいがOKかNGかの線引きは難しい。微妙なラインはどうよいかを話すことで“味覚合わせ”を進めました」

味わいを言葉にするのはソムリエが得意とする分野。お茶と料理の合わせ方は確立されていないが、ワインのテイスティング表現を応用し、「揚げ物や香ばしい料理には“焙じ”の風味があるお茶を合わせると一体感が出そう」「カルパッチョにはフルーティでグリーンな雰囲気のある煎茶が合うのでは」とコメント。

ところで、ワインの味がグラスによって変わることはよく知られているが、お茶も然り。「味覚は手や口の触感と連動するため、透明感のある味わいのお茶は薄い器で提供して一貫性を持たせたい」と大越氏。

「HANAAHU TEA(ハナアウ ティー)」を提供する際は、ワイングラスや薄手の磁器のカップがお薦めだという。

Motohiro Okoshi
1976年北海道生まれ。『銀座レカン』のシェフソムリエとして活躍後、2013年に独立。日本ソムリエ協会(JSA)認定シニアソムリエ。国際ソムリエ協会認定ソムリエ ディプロマ。モダンベトナム料理店『An Di』『An Com』オーナー。日本酒や焼酎のペアリングにも精通する。

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TEXT=小松めぐみ

PHOTOGRAPH=太田隆生

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