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2022.10.14

伊藤万理華「人生を何周もしたお姉さん方に圧倒!」新作映画で開眼した演じることの本質

2017年に乃木坂46を卒業後、映画『サマーフィルムにのって』やドラマ『お耳に合いましたら。』などで主演を務め、俳優として輝きを放っている伊藤万理華。そんな彼女に、2022年10月14日に公開される映画『もっと超越した所へ。』に出演して得た刺激と、演じることへのスタンスを聞く。連載「NEXT GENERATIONS」とは……

伊藤万理華

人生の良いことも悪いことも恥じない格好良さ

クズ男を引き寄せてしまう女性4人の苦悩とクズ男4人の本音が、リアル&パワフルに描かれていると話題の映画『もっと超越した所へ。』。衣装デザイナーの真知子に前田敦子、風俗嬢の七瀬に黒川芽以、元・子役でバラエティタレントの鈴に趣里が扮し、伊藤万理華は金髪ギャルのショップ店員・美和を演じている。美和はネイルもファッションもド派手で、些細なことでゲラゲラ笑って大騒ぎ。同棲相手の泰造(オカモトレイジ)とは1Kのアパートで楽しく過ごしていたが、ある出来事を機に泰造への不信感が募っていく。しかし美和は意外にも、それをはっきりと言うことができない。伊藤は美和をこう分析する。

「美和は、強さをわかりやすく外見で表現しているのかなと思います。若く経験が浅い分、どうしたらいいかわからず自分で強く保とうとして壊れてしまう瞬間が、他の3人よりも出ている気がします。恋愛に限らず、そんなに強くないけれど強くあろうとぐらついてしまうところは、自分もそういう時期がありましたし、今もあるのでわかります。

恋愛は魔法にかかってしまうというか、脳みそがチンパンジーになると言うじゃないですか(笑)。それは本当だと思うんです。魔法が解けたときに『何をやっていたのだろう……?』となる瞬間が誰しもある。きっと真知子も、鈴ちゃんも、七瀬さんも、それを何度も経験してきているのですが、美和はまだ恋愛経験においては初期段階にいるんだろうなという印象があります」

美和と同じく、伊藤も4人の中で最年少。諸先輩との共演は、今の自分を知り、未来の自分をイメージする上で、大きなヒントになったようだ。

「こんなに規模が大きく、先輩や年上の役者さんばかりいらっしゃる作品が初めてだったので、自分がそこに入っていくというプレッシャーはすごく大きかったです。いざ現場に入ると3人のお姉さん方にめちゃめちゃ圧倒されました。

前田さん、趣里さん、黒川さんお三方とも人生を何周もして来られたような『何が来てもどうぞ』というテンションで。そんなお三方を間近で見て、『うわー! めちゃくちゃ格好良い!』と思いました。人生に起きた良いことも悪いことも、全てを受け入れられている感じの格好良さが全部演技に出ていて。私自身、お芝居に対する意欲はもちろんありますし、演技レッスンを受けて技術を磨くことも大事だと思います。でもそれ以上に、(人生経験を積んで)お姉さん方のようにどっしり構えられる人になれたらいいなと思いました。役者としても女性としても本当に憧れますし、心からリスペクトしています」

本作の原作舞台と脚本を手掛けた根本宗子もまた人生の先輩であり、「いつも転機を与えてくれる人」だという。2019年に上演された〈月刊「根本宗子」第17号『今、出来る、精一杯。』〉が2人の初仕事だった。

「根本さんの作品に出会い、演劇の概念が変わりました。根本さんの作る言葉や役を通して、セリフに命を吹き込むこと、役に自分を重ねることとはこういうことなんだ! と実感できました。それは演劇の面白さを知ることにも繋がりました」

伊藤万理華

高校生役も難なくこなす26歳。フォトセッションでは等身大の表情に。

グループ時代には考えられなかった“今”

2020年11月には、完全リモートで稽古した〈月刊「根本宗子」第18号『もっとも大いなる愛へ』〉の無観客配信公演に出演し、根本の雑誌の連載企画でのコラボレーションや対談取材などで交流を深めていった。映画『もっと超越した所へ。』に続き、2023年1月上演の舞台『宝飾時計』(脚本・演出/根本宗子)にも伊藤は出演予定だ。

「コロナ禍でも作品づくりを諦めない精力的な姿からいつも本当に勇気を貰いましたし、実験的な作品にも参加させていただいて、毎回発見がありました。私は文章や言葉で自分を伝えることが得意ではないのですが、根本さんの紡ぐ言葉は『あ、伝えたかった言葉ってこれだったんだ』としっくりくる。私のなかにあるものを言語化してくれる方です。

私は、演じる役と自分が地続きというか、役と自分のどこかが交わっていないと違和感を覚えてしまうタイプです。そういう意味で根本さんが書いてくださる役は肌に合う。最近はありがたいことに根本さんだけなく、他の演出家さんや監督の方とも、一緒にセッションしながら役を作っていけるお仕事が増えてきました。だからこそ、自分と被るところが全くない役を演じられる方はすごいなと尊敬します」

『もっと超越した所へ。』の山岸聖太監督も、伊藤万理華のことを知っている演出家の1人だ。彼は乃木坂46のミュージックビデオを6本監督している他、メンバーの個人プロモーションビデオを11本監督している。その1本が、伊藤が桜井玲香とペアで出演した「夏のせい。」。

「グループ時代からとてもお世話になっています。当時から山岸さんの映像作品が好きだったから、まさかこんなご縁があるなんてグループ時代では考えられないというか……。諦めなくて良かったです」

彼女のこの「諦めなくてよかった」という言葉はどういう意味なのか? 後編ではこの言葉を切り口に、彼女の仕事観に迫りたい。

■撮り下ろしカット多数公開! 伊藤万理華の画像はこちら
■後編はこちら

Marika Ito
1996年2月20日大阪府生まれ。2011年から乃木坂46一期生メンバーとして活動し、’17年に同グループを卒業。現在は俳優としてドラマ、映画、舞台に出演する一方、PARCO展「伊藤万理華の脳内博覧会」(’17)、「HOMESICK」(’20)を開催するなど、クリエイターとしての才能を発揮。映画『映画 賭ケグルイ』(’19/英勉監督)やTVドラマ「潤一」(’19/KTV)、舞台『月刊「根本宗子」第17号「今、出来る、精一杯。」』、『月刊「根本宗子」第18号「もっとも大いなる愛へ」』。’21年は、地上波連続ドラマ初主演を務めた「お耳に合いましたら。」(TX)に出演。初主演映画『サマーフィルムにのって』(’21/松本壮史監督)では国内映画賞のトップバッター、TAMA 映画賞にて最優秀新進女優賞を受賞、第31回日本映画批評家大賞にて新人女優賞を受賞するなど、多岐に渡って活動中。映画『そばかす』が’22年12月16日公開。公式HPはこちら

『もっと超越した所へ。』

『もっと超越した所へ。』
根本宗子の“映像化不可能”と言われた舞台〈月刊「根本宗子」第10号『もっと超越した所へ。』〉を映画化。根本自身が脚本を手掛け、クズ男を引き寄せてしまう4人の女性の恋愛模様と、彼女たちの意地とパワーが引き起こすミラクルを痛快に描く。
出演:前田敦子、菊池風磨、伊藤万理華、オカモトレイジ、黒川芽以、三浦貴大、趣里、千葉雄大
監督:山岸聖太
脚本:根本宗子
2022年10月14(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

■連載「NEXT GENERATIONS」とは……
新世代のアーティストやクリエイター、表現者の仕事観に迫る連載「NEXT GENERATIONS」。毎回、さまざまな業界で活躍する10~20代の“若手”に、現在の職業にいたった経緯や、今取り組んでいる仕事について、これからの展望などを聞き、それぞれが持つ独自の“仕事論”を紹介する。

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TEXT=須永貴子

PHOTOGRAPH=押尾健太郎

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