ビジネスの最前線で闘うリーダーやスペシャルな人の傍らには、仕事に活力を与え、心身を癒やす、大切な愛用品の存在がある。それらは、単なる嗜好品にとどまらず、新たなアイデアの源となり、自らを次のステージへと引き上げてくれる、最強の相棒=Buddyでもあるのだ。今回紹介するのは、俳優である滝藤賢一氏が撮影の10日前に手に入れたというPOLKADOTのネックレス。特集「最強の相棒」
オリジナリティを持ちつつ基本に忠実であれ
「アクセサリーを身につけるようになったのは、ここ3年ほど。高校時代、映画『ケープ・フィアー』のロバート・デ・ニーロの背中に入った十字に憧れ、いつか身体に絵を描くぞと思っていたのですが、そうもいかず(笑)。タトゥー代わりにアクセサリーをするようになりました」
そう語る俳優・滝藤賢一氏が、この撮影の10日前に手に入れたというネックレス。13匹の蝶が連なり、そのうちのひとつには漢字で「滝藤」と彫られている。
「セレクトショップ、ネペンテスの山崎徹君がつけているのを見て、ひと目惚れし真似して作ってもらいました。少しでも自分らしさを出すためイニシャルをお願いしたら、まさかの漢字2文字。もう脱帽、この発想はなかったです。自分のモノに名前を書くって、小学生の時に習いましたものね。クラシックで無骨、そして究極のオリジナリティ。もし失くしても戻ってくる確率が上がりました(笑)」
アクセサリーも作品も、作り手と相談してともに作っていくのが滝藤流。
「今、他にもいくつかアクセサリーを作ってもらっているのですが、デザインをやりとりしてできていく過程が好き。プロの仕事も見ることができますしね。映画やドラマを作る時も、打ち合わせの段階から参加できたら幸せですよね。そのほうが役を長く経験できますから」
8年前、滝藤氏が初めて主演を演じたドラマが『俺のダンディズム』。その際もプロデューサーの濱谷晃一氏とともに演じる直前まで打ち合わせを繰り返し行った。そして今回、その濱谷氏と再びタッグを組んだ主演作『家電侍』がスタートする。
「仲代達矢さん主宰の無名塾に所属していた頃は、数えるほどしかセリフがなかった私が、今作では数え切れないほどの膨大なセリフ。あれだけのセリフをこの短い期間でよく覚えたなと、誰も褒めてくれないから自画自賛してますよ。まぁでも覚えてからが俳優の仕事なので、当たり前なんですけどね」
オリジナリティがありながらも、基本に忠実にものを作る。ファッションも作品作りもそれが今の滝藤氏のモードだ。
「今、改めて俳優になりたいと思っています。作品ひとつひとつと丁寧に向き合い、時間をかけ取り組みたい。そして引き算の芝居で削ぎ落としシンプルに。クラシックなスタイルの俳優でありたいんです。お! これ名言じゃないすか? って、また自画自賛しちゃいました(笑)」
私服の黒いジャケットの胸元に無骨に光るシルバーのネックレス。ここにこれから滝藤氏の魂が入っていくはずだ。
俳優 滝藤賢一
1976年愛知県生まれ。4月2日放送開始のドラマ『家電侍』(BS松竹東急)を始め、『探偵が早すぎる2』(読売テレビ・日本テレビ系列)で主演を務める。初夏公開予定映画『極主夫道 ザ・シネマ』にも出演。私服を公開するスタイルブック『服と賢一』(主婦と生活社)が発売中。