原宿を拠点にするネイバーフッドのデザイナー、滝沢伸介さん。裏原ブームを牽引し、世界進出もいち早く果たした。そのクリエイティヴの神髄とは?【シン・男の流儀】
コレクションに求めるものを、プロダクトを通して伝えていく
裏原ブームの全盛期に海外のアーティストと交流を深めてきたネイバーフッドのクリエイティブ・ディレクター、滝沢伸介氏。グラフィティアートの先駆者、フューチュラとも’90年代に出会った。
「僕が好きなパンクロックバンド、ザ・クラッシュのアートワークを手がけていたり、それこそ’80年代にはキース・ヘリングやジャン=ミシェル・バスキアなどと一緒にストリート・アートというジャンルを築き上げてきた。そういうアーティストと交流できたのは奇跡的ですよね」
滝沢さんのコレクションは、多肉植物、バイク、時計、どれを取っても業界随一として知られる。フューチュラの作品も同じく一線のアートピースである。今までは彼らから贈られた作品が多かったが、最近は自ら欲しいものを買うようになった。
「キャンバスのペイントは’14年にモスクワで開催された“タイムワープ”展のもので、数年後に欲しくなってギャラリーから買いました。彼が描くオリジナルキャラクター、ポイントマンにはいくつもパターンがあって、それぞれに名前がついていたりします。フューチュラに限らずですが、創っている情景がリアルに感じ取れるような、作家の人間性が表れた作品が好きです。有名無名は問いません」
ネイバーフッドではアートとプロダクトを結びつけたお香立てを’10年からブランドコレクションとして展開している。
「自分が好きなプロダクトを掘り下げていくとカルチャーや歴史がわかり、さらに好きになって世界が広がる。アーティストとのコラボは、純粋なクリエーションとして展開しています」
自分がコレクションに求めているものを、創りだすプロダクトを通して伝えていく。クリエイティヴの神髄は、そこにあるのかもしれない。
滝沢伸介のコレクションの流儀
1. 人間味が溢れているものを選ぶ
2. 作者の有名無名は問わない
3. カルチャーのエッセンスを感じる