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2021.09.08

Z世代に響くリーダーの在り方! SKY-HIの才能を伸ばす育成力【後編】

8月13日、若き才能たち「BE:FIRST」が、世界を目指すボーイズグループとして発進した。彼らを誘ったのは、アーティストであり、プロデューサーでもあるSKY-HI。マネジメント会社BMSGを設立し、社長でありながら直接指導し若者たちを育成する。原石を強烈な輝きを放つ宝石へと磨き上げる、“SKY-HIの思考”に迫る。ゲーテ10月号の表紙を飾ってくれたSKY-HIのインタビューをまとめた本誌は完全保存版。

SKY-HI

言語化して伝える。それが成長につながる

3次審査以降は、「立ち位置が明確なほうが、モチベーションが上がるだろうから」と、合否に加え、暫定的な順位づけも行った。なぜその順位かという理由を各自に明確に伝えて、だ。

「人は、自分の技能や個性、特徴に対して意外と無自覚。『ここが素晴らしい』とか、『これが欠けている』と、言語化して伝え、本人がそれを意識するようになれば、特性はさらに磨かれ、課題は克服しやすくなるはずです。

ただ、人が人を選ぶのは業の深いことだと常に感じていますし、この判断は本当に正しいのかと逡巡(しゅんじゅん)もします。我が身を顧みると、言えないこともありますしね。でも、埋もれている才能を発掘し、世に出そうと決めたんだから、彼らの能力を伸ばすこと以外、僕に選択の余地はない。そう腹をくくってからは、自分のことは、すっかり棚に上げられるようになりました(笑)」

第4次審査となった富士山合宿では、15人の候補者が、1ヵ月間寝食を共にし、日本屈指のボイストレーナーや振付師らの指導の下、一日中音楽とダンス漬けの日々を過ごした。その間、SKY-HIも合宿所に泊まりこみ、彼らを一番近くで見守った。

「チームに分けての審査もあったのですが、そこで一番に考えたのは、誰と誰が組めば、成長と実りがあるか。水と油だなと思う組み合わせもありましたが、そういう相手と仕事をしないといけない場面は多々あるわけです。根本的に違う相手と、どう付き合うか。その解決方法は自分で見つけないと、この先絶対厳しくなるから。まぁ、ずっと心配で、安眠できた日なんて一日もなかったんですけど(笑)」

リーダーとしての役割を果たそうと、自分を抑えて悩む候補者もいれば、コミュニケーションがうまくできず、もどかしさを抱える候補者もいる。それぞれの悩みに寄り添い、「うんうん」、「わかるよ」と話を聞いた後で、丁寧に言葉を紡ぐ。その関係性はとてもフラットだ。

「僕はオーディション主催者であり、名刺上は代表取締役だけど、別に偉いわけではありません。ネジにはネジ、ビスにはビスと、それぞれ違う役割を担っているだけで、等価値。そこは忘れたくないんですよね」

音楽を愛するという共通の想いを抱いて、集まった同志。SKY-HIが貫いているスタンスは、若者たちにも確実に伝播(でんぱ)していた。課題の克服に悩む候補者には、周りの者たちが惜しみなく手を貸す。それは、ライバルというよりも、互いに切磋琢磨し、成長を目指す仲間だ。実際、合宿中候補者からは、「このメンバーで音楽に向き合えて本当によかった」、「助けられた」という言葉が、幾度となく聞かれた。個々の能力を伸ばすだけでなく、チームとしても成長させる。これもまた、SKY-HIの育成力の賜物だろう。

「最終審査終了後、10人から、サプライズで手紙をもらいました。あれには感動しました。頭は真っ白だったけど、僕も、ひとりひとりに、まったく違う言葉をかけることもできました。それは、みんなとちゃんと向き合えた証。僕自身も、彼らによって成長させてもらったんですよね。同じ志を持ち、命の火を燃やしている時間を、彼らと共有できたことは、僕にとって誇りです」

オーディションは終わったが、これは"初めの一歩"。SKY-HIと、彼が築いたチームは、高みを目指して歩み続ける。

 

心を揺さぶるSKY-HIの言葉

「この人の下で働きたい!」、「理想の上司!」と話題になったSKY-HIの育成力。それを実感できる“金言”を、オーディション番組、『THE FIRST』からピックアップ。このフレーズ、この言葉がけが、Z世代の成長を促す!

「甘えることも思いやり。信頼されてると感じる」

「チームを引っ張らないと」とプレッシャーを感じ、逆に周囲から浮いてしまう候補者に、「無理にみんなの意見をまとめようとせず、イニシアティブは、経験者に渡してもいいんじゃないかな」と、アドバイス。「時には、誰かに甘えたり頼ったりしてもいい。頼られる側は信頼されているなと感じて嬉しく思うはず。甘えることも思いやりだから」。

「悩んだ時は、自分を少し甘やかしてあげる」

急速に成長する仲間たちと自分を比べ、焦り、空回りしてしまう。そんな苦悩を目にしたSKY-HIは、「目的地が決まっていないまま、たくさん走っているように見える。悩んだ時は、自分を追いこむ環境から、一度自分を逃して、甘やかし、心の栄養を携えてほしい」と。この言葉は、「追いこみ過ぎて自分を嫌いになっていた」という候補者の心を救った。

「モヤっとした時は全員で共有するのが大切」

アクの強い候補者たちを敢えて集めたグループでは、意思疎通がうまくいかず、空中分解寸前に。「誰かの話が通りづらいとか、意見を言っても弾かれてしまうというのは、絶対にあること。その時に、それを解決しようとするのではなく、今モヤッとしているよと言うだけでも、全然違ってくる」。まずは気持ちを共有することが相互理解の糸口になる。

「自分のためにチームがあるのではない」

「自分の個性や特徴を消す必要はない。けれど、自分を出すためにチームがあるのではなく、自分を出した結果チームが輝いたり、チームのクリエイティヴをよくしようとした結果、自分の個性や特徴が輝く。アーティストと作品の関係は、常にそうであってほしいと思います」。これは、仕事におけるチームの在り方にも共通しているといえそうだ。

「100%正解している人も間違っている人もいない」

個性がぶつかり合い、一体感のないチームを前に口にしたのが、この言葉。「このなかに100%正解している人も、100%間違っている人もいない。だから、揺るがない自分自身をすごく愛してあげると同時に、人も同じようにそういうものを持っていると認め、愛してあげて。そうしたら、すごい個性が共存した、素晴らしいグループになれる」。

 

THE FIRST最終選考メンバー

7月末時点で、10人のメンバーが選考に残った。年齢も出身も違う10人がデビューを目指し切磋琢磨する!

REIKO

REIKO
愛知県出身、18歳。歌が武器。ダンス未経験ながら急成長。

RAN

RAN
熊本県出身、18歳。ダンスを始めて14年、大会での優勝歴も。

RYUHEI

RYUHEI
愛知県出身、14歳。独特の雰囲気と歌唱力で高い評価を獲得。

JUNON

JUNON
東京都出身、23歳。就職内定先を断って挑戦。高音で魅せる。

MANATO

MANATO
福岡県出身、20歳。NYに約1年間音楽留学した経験を持つ。

LEO

LEO
東京都出身、22歳。歌声が魅力の、明るいムードメーカー。

SOTA

SOTA
神奈川県出身、20歳。ダンスの世界大会で4度優勝の実力者。

RYOKI

RYOKI
愛知県出身、22歳。俳優として活動し、舞台や映画に出演。

SHOTA

SHOTA
東京都出身、23歳。ダンスと楽曲制作に長け、ソロで活動中。

SHUNTO

SHUNTO
愛知県出身、17歳。SKY-HIも羨む声を持ち、ダンスも秀逸。

 

BMSG所属アーティスト・Novel Coreが語るSKY-HIの素顔

SKY-HIさんは社長ですが、同じ目線で話をしてくれます。

僕が体調を崩し悩んだ時も「少し休んで温泉でも行こう!」と言ってくれて、迷いなく活動を休止できました。「俺はコアをライバルだと思っているから少し休もう」と掛けてくれた言葉は、信頼されていると心から感じました。

フレンドリーだけど、とても気を遣っているし人見知りな所も。靴が好きでたくさん持っているのに、結局選ぶのは同じ靴というキュートな一面もあります(笑)。

Novel Core

Novel Core
2001年東京都生まれ。第12回高校生RAP選手権で優勝。音楽のみならず、さまざまなフィールドで注目をされる新鋭のアーティスト。

 

SKY-HI

ジャケット¥132,000、パンツ¥51,700、シャツ¥51,700、ネクタイ¥12,100、靴 参考商品(すべてエンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン TEL:03-6274-7070)

インタビュー前編はこちら
※こちらのインタビューをまとめたゲーテ10月号(表紙・SKY-HI)は完全保存版です。

SKY-HI
スカイハイ/1986年千葉県生まれ。2005年AAAのメンバーとしてデビューし、同時期からSKY-HI名でソロ活動も開始。’20年マネジメント/レーベルBMSGを設立。「To The First」、「me time」が配信中。

TEXT=村上早苗

PHOTOGRAPH=SHIN ISHIKAWA(トップ画像、プロフィール画像)

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