旅は、日常を離れた視点から、自分を俯瞰する機会をくれる。今季も各地に次々とオープンする個性派ホテル。そこには、脳内をリセットし、クリエイティヴな思考が刺激される、極上の非日常空間がある。ホテルを追いかけ世界中を駆け巡るホテルジャーナリスト・せきねきょうこが、リーダーたちのための最新リゾートを厳選する。【特集「旅して、遊ぶ」】
競輪場と一体化し、地方創生へ躍進する
日本で初となる"スタジアム一体型ホテル"が3月下旬、瀬戸内の玄関口である玉野市にオープン。72年の歴史ある「玉野競輪場」が、「KEIRIN HOTEL 10」を伴い、新たなスポーツ・エンタテインメントとしての発展を願い、スタジアムに女性も、ファミリー層にも足を運んでもらえるようにとスタートを切った。瀬戸内海観光にも適したホテルである。
客室は全149室のうち126室がバンクビュー(競走路側)、5階以上は全室テラスつきでスタジアムを眺められる。最上8階には2室限定の露天風呂つきスイートルームがつくられ、カラフルな内装はロッカールームをイメージ。競輪場のリニューアルには「デザイン×サステナブル×地方創生」を挙げ、さらに2階ガラス張りのスタジアムレストランからは間近にレース観戦が可能だ。最大9人で競う競輪に、敢えて数字の10をつけたホテル名には、「ゲストが10番目の選手」という想いを込めた。
館内にはKEIRIN GALLERYも設けられ、競輪初心者にもわかり易く、情報やストーリーを展示。競輪ファンのみならず旅行者にも斬新であり、競輪レーサーの息遣いまで感じる臨場感はたまらなく刺激的だ。
ケイリンホテル テン
住所:岡山県玉野市築港5-18-3
客室数:149室
料金:オーシャンバンクビュー ツイン・テラスつき ひとり¥9,700~(2名1室利用時、夕朝食つき)