旅は、日常を離れた視点から、自分を俯瞰する機会をくれる。今季も各地に次々とオープンする個性派ホテル。そこには、脳内をリセットし、クリエイティヴな思考が刺激される、極上の非日常空間がある。ホテルを追いかけ世界中を駆け巡るホテルジャーナリスト・せきねきょうこが、リーダーたちのための最新リゾートを厳選する。【特集「旅して、遊ぶ」】
古美術の通りに新風、日本初進出のホテル
京都東山を流れる白川の畔、祇園の華やかさを背景に昨年末、エレガントなスモールラグジュアリーホテルが開業。通りの名を由来にしたホテル名の「THE SHINMONZEN」だ。
オーナーはアイルランド人のパディ・マッキレン氏で、南フランスのワイナリーやヴィラホテルなどをはじめ、最高級クラスの施設を世界各地に所有する、グローバルに活躍するビジネスパーソンだ。
「THE SHNMONZEN」のシンプルモダンのデザインは、マッキレン氏の友人である建築家の安藤忠雄氏が担当。京都の伝統、アートへの美意識、西洋のモダニズムが調和する館内は上質さが際立っていて美しい。
ホテルの立つ新門前通は古くから古美術店が軒を並べ、今もなお、古美術のメッカとして存在感がある。ホテルではそのアートに触れるアクティビティが用意され、ゲストサービス・スタッフの案内で古美術商を訪ね、その歴史や面白い話が聞ける。
印象的なのは、ホテルサービスのスタートに到着ゲストを京都駅のホームで出迎えるバトラーサービスだ。日本では珍しいが、まるでパリの鉄道駅でのシーンのように、映画の主人公の気分になれる粋な計らいが待っている。
ザ シンモンゼン
住所:京都市東山区新門前通西之町235
客室数:9室
料金:¥120,000〜(1室あたり、朝食つき、京都駅からのプライベートトランスファー込み)