世界No.1コーチ愛弟子・吉田洋一郎 「曲げたくないホールほど下半身を動かすべきか?」

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という吉田コーチが、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する。
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プロでも試合終盤は“足が止まりがち”になる

まだ7月だというのにうだるような暑さだ。ラウンドからも練習からも、足が遠のきがちだろうか。しかしライバルよりも早く上達したければ、こんな時こそ練習をがんばるという考え方もある。さて猛暑の日にラウンドした人にはわかるかもしれないが、後半でふくらはぎがつりそうになったことはないだろうか。これはミネラルや水分の不足、疲労の蓄積が原因だ。

足がつらないにしても、ラウンド終盤は確実に下半身の運動機能は低下する。これはツアープロも同じで、最終日の終盤にティショットなどで引っかかったボールを打つと、解説が「足が止まっちゃってましたね」などとよく言ったりしている。

下半身の運動量が低下すると、上半身だけでボールをコントロールするためフェースの開閉が急激になりがちになり、ひっかけやプッシュアウトのミスが出やすくなる。そして、そもそも飛距離が出ない。

下半身はスイングの動力源

クラブと接しているのは手であり腕だが、それらは力を伝えるハブの役割だ。さまざまなスイング理論があるが、下半身を使わずに打つという考え方はない。だから大前提として、下半身で体重移動を先導したり、地面を蹴り上げるようにして使いパワーを生み出すという事を覚えておいてほしい。

そういった大前提があるものの、いざコースに出ると「ちゃんと芯に当てたい」「曲げたくない」といった意識から、下半身の動きが小さくなりがちになる。下半身をどっしり構えて土台をぐらつかせなければ確実性が上がりそうなものだが、実際には違う。

下半身の動きを小さく静かなものにすると手や腕の運動量が増え、冒頭でお伝えしたように逆に球筋が散らばりやすくなる。

また上半身主導のスイングでは、正しいポジションにクラブが戻りにくく、芯でとらえる確率が低くなる。下半身で主導している際は前傾角度のみキープされていれば、クラブの軌道はある程度一定になりクラブがアドレスのポジションに戻る確率は高い。しかし上半身の運動量が増えると手元でクラブの位置を操作することになり、クラブの軌道が安定せず芯に当たる確率が低くなってしまうのだ。

だからコースに出て、「狭くて嫌だな」と思ったホールほど、いつもよりもダイナミックに下半身を動かしてほしい。そのためにショットの前の大きな動きの素振りを2回してみるとよいだろう。いつもよりも下半身の動きを意図的にダイナミックにして、大きく動くことを意識する。素振りの際は速く振る必要はない。

ティショット以外でも同じ事が言える。距離が残ったセカンドショットでウッドを手にしてミスショットが多い人は、同じく下半身が止まってしまっている可能性がある。「ちゃんと当てたい」「当たりさえすればウッドだから飛ぶ」と思い、下半身の動きが小さくなってしまうとフェースの開閉が大きくなり球は曲がる。クラブは長く飛距離が出やすいので最悪の場合はセカンドOBとなり、スコアを崩すことになってしまう。

最初は怖いかもしれないが、曲げたくないホールほど下半身を動かす事を意識しよう。また疲れがたまり、下半身が動きにくくなる夏の時期のラウンド終盤も同様だ。

次回に続く

Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=トータルゴルフフィットネス


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吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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