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2025.03.11

年2回模様替え。カリモク家具のオフィスに潜入

フリーアドレスや在宅勤務など働き方の変化に伴い、デザイナーズ家具を使ったラウンジ型のオフィスが増えている。家具ブランドのオフィスから、交流が生まれるインテリアの秘訣に迫る。今回は、カリモク家具のオフィスを紹介する。【特集 アートな家具】

カリモク家具の3階オフィス
3階には多彩なシーンに適した家具が。立ったままミーティングができるハイテーブルや打ち合わせしやすいパーソナルソファなども。

ショールームがオフィス。空間に垣根を作らない

木製家具メーカーであるカリモク家具が、西麻布に作ったハイブリッドスペースが「カリモク コモンズ トウキョウ」だ。ここの2階と3階がオフィス兼ショースペースになっていて、一般の人も自由に立ち入ることができる。

インテリアは年に2回、季節に合わせてインテリアスタイリストが模様替えを行う。過去には作原文子氏や黒田美津子氏、竹内優介氏らが担当。現在はノタショップの加藤駿介氏が「まざる」をスタイリングテーマに構成した空間が広がる。家具とともにアート作品や工芸品などが交ざった空間は味わい深い。

国内外のデザイナーが木製家具をデザイン

同じテーマでもそれぞれの階は異なる雰囲気。2階はカリモクケース、3階はカリモクニュースタンダードとマスの家具で構成。いずれもカリモク家具から派生したブランドだ。

カリモクケースは、実際に使う環境との関連から家具をデザインすることで、快適なものを生みだそうとするブランド。

例えば「テーブルA-DT01|ダイニングテーブル」は、ノームアーキテクツと建築家の芦沢啓治がリノベーションを手がけたマンション「砧テラス」のためにデザインしたものだ。

カリモクニュースタンダードは国内外のデザイナーがもつ先進的なアイデアと、カリモク家具の優れた製造技術を融合したブランド。例えば、ビッグゲームによる「キャストールロビーソファシステム」は、ひとつひとつがモジュールとして機能し、空間に合わせて、理想のソファを作ることができる。

マスはやわらかな材質ゆえに家具には不向きといわれる針葉樹のヒノキなどで家具作りを行うブランドで、熊野亘がデザインディレクターを務めている。

2階は透けるカーテンを使用し、奥行きを見せながら臨機応変に空間を仕切る提案が斬新。一方、3階には大人数で座れるダイニングテーブルやソファ席、立ったまま打ち合わせなどができるハイテーブルなどが配置され、自然にコミュニケーションが生まれやすい空間構成になっている。

自社の木製家具を使ったカリモク家具の空間はぬくもりがあり、オフィスとしても新鮮だ。木製家具は経年変化によって風合いが変わってくることも魅力で、年月が経つほどに仕事の苦楽をともにする相棒として愛おしい存在になるだろう。

オフィスの新常識

1.木製家具を使うことでオフィスにぬくもりを

事務的で無機質になりがちなオフィス空間に木製家具を導入。気持ちが和らぎ、闊達なコミュニケーションが生まれる環境に。

2.季節に合わせて年に2回の模様替え

インテリアスタイリストによって、春夏と秋冬でインテリアを模様替え。季節感があり、時代の空気をも反映したオフィスを常に実現。

カリモク コモンズ トウキョウ
住所:東京都港区西麻布2-22-5

【特集 アートな家具】

この記事はGOETHE 2025年4月号「総力特集:惚れ惚れする人生の相棒、アートな家具」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

TEXT=石川博也

PHOTOGRAPH=土居麻紀子

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