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2023.09.30

なぜ高額なお金を払っても、英国ボーディングスクールに子どもを入学させるのか?

教育熱心な親たちの間で話題を集めているのが、イギリスの名門ボーディングスクール。日本から英国に渡り、親元を離れて寮生活を送る、その意義とは――。イギリス留学のエキスパート「ピッパズ・ ガーディアンズ」代表のベン・ヒューズ氏に話を聞いた。

ボーディングスクールをもっと知るフェアが開催

Boarding(ボーディング)とは飛行機や船への「搭乗」だけでなく、「寄宿」や「下宿」を意味する言葉。両親や家族と離れ、規則正しい寮生活を送りながら、学業だけでなく礼儀作法、自立心、コミュニケーション能力を養成するのがボーディングスクールだ。

今、ボーディングスクールが注目を集めている。なかでもオックスブリッジ(オックスフォード&ケンブリッジ)などへの進学者を多数輩出するイギリスの名門ボーディングスクールへの入学が、日本の教育熱心な親たちを魅了して止まない。

グローバルな時代において、親は至極当然、子どもに国際感覚を身につけさせたいと思っている。なかでもイギリスの伝統と歴史を重んじる格式のある学校は憧れの進学先だ。こういった名門校も近年は学費が高額化し、イギリス国内のみで生徒を集めるのが困難になっており、また先のオックスブリッジなど、トップ大学への進学率を上げるには優秀な留学生の確保が効果的であるため、門戸を世界に広げている。

昨今では、国内にも英国名門ボーディングスクールの日本校が続々と開校している。ウィンストン・チャーチルが卒業した「ハロウ・スクール」の姉妹校で、岩手県安比高原の「ハロウ・スクール 安比」、ラグビーフットボールの発祥として知られる「ラグビー・スクール」の日本校で、千葉県柏の「ラグビー・スクール・ジャパン」などだ。今、日本の親たちの間ではブリティッシュ教育や英国カリキュラムへの関心が高まっているのである。

日本とはまったく異なる授業スタイル

そんな英国ボーディングスクールについてもっと知ることができるイベントが、11月4日に開催される「ブリディッシュ・ボーディングスクール・フェア・ジャパン(BBSFJ)だ。主催するのは、イギリスのボーディングスクール留学生へのサポートサービスと入学へのコンサルティングを提供するイギリスの「ピッパズ・ ガーディアンズ」。代表のベン・ヒューズ氏がフェアについて語った。

ベン・ヒューズ
ピッパズ・ガーディアンズ代表。全英約120のボーディングスクールと提携するイギリス留学のエキスパート。遠く離れた両親に代わって、留学生のケアとサポートを担うガーディアンサービスと、伝統的なボーディングスクール入学のためのプライベートコンサルティングを提供する。

「BBSFJには、イギリスでも評価の高い15のボーディングスクールが来日します。当日は各校のブースにて校長やアドミッション担当者から、直接、学校や受験についてリアルな話を聞くことができます。

いずれの学校もアカデミックな素晴らしい教育環境を誇ります。広大な敷地のなかに充実した施設を擁しており、教師ひとりに対し、生徒は約9から10人。指導の質も非常に高いです。放課後や週末の課外授業も充実しており、スポーツや音楽、芸術などさまざまなことに触れられます。卒業後、生徒は大学に進みますが、ボーディングスクール出身の生徒はラッセルグループと呼ばれるイギリスのトップ24大学に進学する確率が、一般の学校に比べて倍に達しています」

■15校の詳細はこちら

イギリスのボーディングスクールというと映画「ハリー・ポッター」の世界を想像する人も多いはず。ボーディングスクールの多くは都市の郊外や田舎に位置し、日本では想像できない自然溢れる広大な敷地のなかに、歴史と風格を感じさせる建築の校舎と寮がある。

学校で行われる授業はいずれも少人数制で、日本のような集団&受け身の授業とはまったく異なる。暗記をしてテストで問題を解くといったような詰め込み型の学習方法ではなく、自分で調べたり、解決法などを考えるのだ。それはまさにこれからの時代に必要なスキルだ。

学校側が日本人に入ってもらいたがっている

「私がBBSFJを開こうと思ったのは、近年、日本からの関心、熱が高くなっていると感じたから。そして、名門ボーディングスクール側も日本人の子どもをぜひ入学させたいと考えているからです。ボーディングスクールの最大のメリットは、世界中から国籍の違う子どもが集まっていることに尽きます。

私もボーディングスクール出身ですが、在籍当時、私のクラスには日本と台湾からの生徒がいました。彼らとの交流、異なる文化を知ることは非常に意味のあるものでした。

名門校は多様性を大事にしており、生徒の国籍を偏らせたくないと考えています。なかでも日本人は勤勉で社会性があるため、積極的に入学させたいという希望をよくききます。私も日本人とイギリスの学校はとても相性がいいと感じています」

もちろん、ボーディングスクールだったらどこでもというわけではない。子どもと学校のマッチングはなによりも重要だ。さらに、ボーディングスクールに入学するにあたっては、ガーディアンと呼ばれる、休校期間中のホームステイの面倒を見てくれたり、万が一の緊急事態に対応してくれたりする後見人をつけることが義務となっている。そういったガーディアンとのマッチングも考えなければならない。

学校環境、安全性、受験の仕組み、卒業後の進路など、ボーディングスクールに子どもを入れたい、という思いがあるなら、早め早めに情報を集めることが必要になってくる。ネット情報だけでなく、こういったフェアに参加して、リアルな声を聞きたい。

ボーディングスクールというと、入るのに高額な費用がかかることなどから、お金持ちのセレブ子女が集まる華やかなイメージがある。しかし、実際はイギリスの教育は規律が厳しく、寮生活も質素で規則正しい。あらゆる行動にリーダーシップのみならず、相手を敬う協調性が必要とされ、いわゆるエリート然とした子どもは周囲から敬遠される。

親元を離れることで自立心はもちろん、国籍も宗教も価値観も違う相手と付き合うことでコミュニケーション能力が磨かれ、自然にグローバル能力が養われる。しかも将来、世界各地で活躍するエリートや、国や地域を背負うことになるであろう子どもたちと強固なネットワークが築ける。ビジネスにおいても、プライベートにおいても、これほど心強い財産はない。

それが英国ボーディングスクールで学ぶということなのだ。

TEXT=ゲーテ編集部

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