NOT A HOTEL MINAKAMIのデザインを手がける建築家のふたりに、そのこだわり、建築にこめた思いを聞いた。
【NOT A HOTEL】
さまざまな場所が自分の家になる可能性を提案
「今までは家を建てるということは一生に一度の大仕事と考えていた人も多いと思います。けれどこれからはもっと自由に、さまざまな場所が自分の家になるかもしれない。そういう新しい暮らしを提案するつもりで、建築に取り組みました」
そう語るのは、NOT A HOTEL NASUの3棟と、これから建設がスタートするMINAKAMIの建築デザインを手がけたSUPPOSE DESIGN OFFICEの吉田愛氏だ。
「NOT A HOTELの建築は、その土地とオーナーが深く関わりを持てる建物を目指しました。そういう家をいくつも持つことができたら、世界中とつながれるかもしれません。それってとても素敵なことですよね」
もともとある景色を、さらに美しく見せる建築
MINAKAMIのプロジェクトが始まる前に、谷尻誠氏はまず実際にみなかみに赴いた。谷尻氏はその印象をこう語る。
「不思議な場所でした。山を登っていくと、頂上に突然開かれた場所が見えてくる。ドーンと大きな建物をつくるのではなく、自然の中にお邪魔するような、こぢんまりとしたイメージで、いくつも建物を建て、現代の湯治場の風景をつくれないかと、思いつきました」
同時に谷尻氏は、土地の風景を最大限、ひとつひとつの邸宅に取りこむことも考えたという。
「建物の中に入るということは、一度景色を閉じる行為です。にもかかわらず家から圧倒的な風景が見えたらどうでしょうか。それこそが開放感になり、感動になる。僕らは景色をつくることはできませんが、もともとある景色を、さらに美しく見せる建築をつくることはできる。そんな空間を目指しました」
アイデアは“移動すること”でたまっていく
この建築の天井高は最高で約6m、室内から天井を見上げれば、木の板が複雑に、そして美しく組まれている様子がわかる。開放的ながらも木の温もりを感じられる空間に仕上がる予定だ。
さらに、その木の上には銅板が被せられていて、外から見れば中からとは様子を違え、艶やかな輝きを放つ。銅板ゆえ、その色、輝きは黒や緑へと徐々に経年変化してゆくが、その変化をこそ楽しんでほしいのだと、吉田氏は言う。
「今、建築に限らず、多くの人が変化しないものをつくろうとしますよね。けれど変化を受け入れ、楽しむ余裕を持つことも大事だと思います」
斬新でありながら、どこか懐かしい印象も覚える建築図を見ていると、ふたりが新しいものも古いものも、常にインプットし、アイデアを構築し続けてきたことがわかる。
そもそも、ふたりはどのように、これまでの人生で建築・デザイン、そして仕事のアイデアをためてきたのだろうか。そう問うと谷尻氏は笑って答えた。
「アイデアは“移動すること”でたまっていくと僕は思っています。移動して、新しい風景を見て、多くの人に会う。さまざまな場所に足を運び、自分で体験することが仕事には大事です」
事実、谷尻氏は大のスノボ好き。自分がスノーリゾートを楽しむ理想の場所をここにつくったのだ。谷尻氏の微笑みを見て、吉田氏もこう続けた。
「仕事をするなら、いろんな所へ行って、たくさん遊ばないといけませんよ」
じき完成するMINAKAMI。その場所で過ごす時間が、オーナーたちにとっても、アイデアを深める遊びの、そして仕事の時間になることは間違いない。
申し込みから契約まですべてがオンラインで完結。購入後、4年目以降はNOT A HOTELが提供するマーケットプレイスで売買できるように。相続は期間の定めなく行える。開業している拠点については、現地の見学も相談可能。
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