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2023.08.10

9年ぶりに高水準となった長期金利の上昇が及ぼす影響とは――アフターコロナのお金論

今回は金融制度や金利の変化を楽しむマインドとチューニングスキルについて。連載「アフターコロナのお金論」とは

©️Aleksandr Popov/Unsplash

10年債が9年ぶりの高水準に

アメリカの長期金利が上昇した流れもあって、国債市場で長期金利の指標である10年債の利回りが一時0.65%に上昇しました。約9年4ヶ月ぶりのことです。

「長期金利が上昇しました」「長期金利は引き続き低水準を維持しています」のようなニュースもよく耳にしますが、長期金利は資産形成を考えるうえで非常に重要な指針の一つです。

例えば、長期金利が上昇すると考えられる動きとしては、住宅ローンや自動車ローンなどの金利も連動して高くなっていくことがあります。現在は低金利政策ですので住宅ローンも一昔前から考えると驚くほど低い水準ですが、長期金利が上昇するとこの住宅ローン金利が上がっていく可能性が高くなります。

長期ローンを組む高額商品は、金利が上がると利息が増えてしまうため、消費者の行動として新規購入を控えるという動きが出てきます。

そうなると消費が落ち込んでいきますので、企業としても儲からなくなり、儲からなくなるのでお給料も上げにくくなり、お給料が上がりにくいとさらに消費が落ち込んでいく、そういう経済成長にブレーキがかかる動きとなります。

そしてこの数日、住宅ローン金利の上昇が現実のものとなってきています。2023年8月、メガバンクなどの大手5行が一部住宅ローンの基準金利を引き上げると発表しました。金利上昇圧力は高まってきていますので、本格的な金利上昇局面に入るかもしれないのです。

ただその反面で私たちにとって、金利上昇はメリットもあります。それは長期金利の上昇により、定期預金の金利が上がる可能性が高いということです。

現在は銀行に貯金していてもわずかにしか増えないことは広く知られていますが、このまま金利が上がって行けば銀行に預けておけばお金が増える、という昭和の時代のような貯金での資産形成もまた一つの選択肢になってきます。

そうなると例えば、リスクを取る部分はNISAを活用して株式投資で、リスクを低く抑えてお金を増やす部分は貯金で、のようなハイブリッド型資産形成を選ぶ人も増えるかもしれません。このように、金利にはメリットもデメリットもありますので、金利の状況を見ながら資産形成をアジャストできるかどうかが資産形成で損しないコツとなります。

お金を楽しむスキル

それではお金のトレーニング。 この重要な長期金利は、どのようにして決定されるでしょうか?

答えは、長期資金の需給関係によって決まっていきます。特に10年物国債の利回りが目安となりますが、物価変動、短期金利などの長期的予想で変動するのです。

長期金利は経済の基礎体温ともいわれることも多く、景気が悪くなれば低くなり、景気が良くなれば高くなるという傾向にあります。また、日本の短期金利は日銀の金融政策によってコントロールされています。

また、お得な制度として利用者も急増している「ふるさと納税」にも変化がありそうです。 自治体に寄付すると、住民税などが控除されるふるさと納税の人気は高いですが、総務省は2023年10月から返礼品となる地場産品の定義を厳格化する予定であると発表しました。

ここでお金のトレーニング。2022年のふるさと納税の寄付総額はいくらでしょうか?

答えは、約1兆円。3年連続で過去最高を更新し、利用者数も毎年急増しています。

ただ、ふるさと納税を巡っては、高額な返礼品競争が自治体間で過熱。そのため寄付額に対する返礼品調達額の割合を3割以下、経費全体で5割以下とする規制が導入されました。それでも寄付額ランキングを見ると、返礼品に力を入れている自治体が常連となっているのです。

こういう動きを国がアップデートしようとしている動きですので、こういう政府の発表にも目を光らせておくことが重要です。ふるさと納税も利用者や自治体の利用状況をみて、今後ますます制度が変わっていくことになるでしょう。

このように、お金の制度や金利は、様々は事情によってどんどん変化をしていきます。 世界的な流れ、経済大国の情勢、投資家の心理、消費者の心理、政府の方針決定など、本当に多くの事情が複雑に絡み合って変わっていきます。

そのなかで私たちが損しないためにやるべきことは、変化を知ることと、その変化に自分の資産形成をアジャストしていくことです。チューニングを止めないことです。

変化しなかった時代はないし、変化しない生物も生き残ることはできません。そして変化を暗く捉えるのか、楽しみながらチャンスと捉えるのか。それは自分の心が決めることです。

10年前からは考えられない円安に変化した現在において、例えば、海外旅行が高くなったと暗く捉えるだけで終わるのではなく、輸出ビジネスのチャンスだと捉えてそういうビジネスを始めてみたり、そういう企業の株式を購入してみたりすることもできるでしょう。実際に円安をチャンスにするビジネスを、経済産業省も中小機構も支援を始めています。

テクノロジーで世界中がリアルタイムで繋がっていますので、お金の変化が少ない時代に逆行することは、もはやありません。お金の変化が激しい時代だからこそ、その変化を楽しむマインドとチューニングスキルが重要になってきているのです。 

■連載「アフターコロナのお金論」とは
新型コロナウイルスにより、多くの人がお金について真剣に考えたはずだ。先行きが見えないなかで、今後どうお金と付き合い、増やしていけばいいのか。この連載では、お金のトレーニングスタジオ「ABCash」を運営する児玉隆洋が、コロナ後のお金と資産運用についてレクチャー。お金とは何か、投資とは何かを考える。

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児玉隆洋/Takahiro Kodama
1983年宮崎県生まれ。大学卒業後、サイバーエージェントに入社。Amebaブログ事業部長、AbemaTV広告開発局長を歴任。2018年、海外に比べて遅れている日本の金融教育の必要性を強く感じ、株式会社ABCashTechnologiesを設立。代表取締役社長に就任。2019年、すごいベンチャー100受賞、スタートアップピッチファイナル金賞。著書に『未来のお金の稼ぎ方 お金が増えれば人生は変わる』がある。

TEXT=児玉隆洋

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