これまで650名を超えるパーソナル・トレーナーを世に輩出し、プロのアスリートやモデル、芸能人など、幅広い業界から支持を得ているパーソナルトレーナーの元祖、ケビン山崎。現在も「毎日に活気をもたらすカラダへ 最短で最大の結果を出す」を理念に、新しいフィットネス文化を世に広めている“筋肉伝道師”の筋肉論を、新刊『MUSCLE BIBLE 筋肉伝道師の最終解答』を抜粋、一部編集して紹介する。
筋肉があれば、新鮮なアイディアが生まれる
私たちの身体中に張り巡らされている血管も筋肉でできている。血管は収縮することで、心臓から指先、足先にいたるまで、血液を届けている。
もっと具体的にお話ししよう。
まず心臓が動く。血液は、心臓から大動脈へと流れていく。鼓動で、バッバッバッと血液が流れる。強いとき、休んでいるとき、強いとき、休んでいるとき……と強弱をくり返す。そのときの大動脈に対する圧力が、いわゆる血圧だ。
歳をとって血管が弱くなると、血流に負けて広がってしまう。血流に耐えられなくなる。場合によっては切れてしまう。
血管が弱くならないようにするためにも、トレーニングを行いたい。コンスタントに筋肉に負荷をかけると、血管も収縮して強くなる。弾力性を失わず、破れづらくなる。
筋肉が衰えて、血管が細く弱くなると、血圧が上がる。収縮期血圧(いわゆる最高血圧)が140㎜Hg以上、あるいは拡張期血圧(同最低血圧)が90㎜Hg以上だと、ドクターに血圧を低下させるために薬を飲むように言われる。すると、血流がうながされる。
でも、血管そのものが強くなったわけではない。血管は衰えたまま。だから、ずっと薬を飲み続けることになる。薬を飲み続ける状態になる前に手を打ちたいものだ。
どんなにいい薬にも副作用はある。化学物質だからだ。薬を飲まなくてはいけなくなる前に、トレーニングで血管そのものを強くしておきたい。大きな筋肉を鍛えれば、末端の血管も強くできる。
血管は私たちの脳まで伸びている。血液を運ぶポンプが活発に働けば、血液によって脳に栄養や酸素がふんだんに運ばれていく。
すると集中力が高まり、多くの仕事ができ、長時間の学習もできる。
このように脳効率が高くなると、新鮮な発想が生まれる。目の前で起きている問題も解決できる。
ベンチプレスによって脳が活性化する仕組みを整理しておきたい。ざっくり言うと、次のようなプロセスだ。
① バーベルを上げる。
② ベンチプレスは無酸素運動なので、瞬間的に脳に酸素が届かなくなる。
③ 危険を察した脳は、酸素を取り込もうと、血管を拡張する。
④ バーベルを下ろす。
⑤ 酸素を欲して血管を拡張した脳に、酸素を含んだ血液が供給される。
⑥ 脳は効率よく酸素を取り込む。
⑦ このプロセスがくり返される。
ドクターによると、このようにしてトレーニングを行うと、脳血管が強くなると同時に脳に効率よく酸素が送り込まれるようになっていくという。その結果、新鮮なアイディアが生まれる。
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