華やかなテレビ界の裏で夫婦が向き合った、1年半の壮絶な闘病体験記
最愛の夫が食道がんを宣告され、わずか1年半で亡くなってしまう……。伝説の番組『オレたちひょうきん族』に初代ひょうきんアナとして出演し、フジテレビ退社後は女優として活動する山村美智さんと、その夫である宅間秋史さんの出会いから別れまでを追った本書。
宅間さんは『花より男子』『ウォーターボーイズ』など多くのドラマや映画を手がけ、「ミスターフジテレビ」とまで呼ばれた超敏腕プロデューサー。ふたりが送った華やかな夫婦生活とその裏にあった苦悩や葛藤、闘病中の壮絶な体験が赤裸々に描かれています。
タイトルである「7秒間のハグ」は入院生活が始まった頃に宅間さんが提案したルールで、ふたりの絆を強くしてがんを乗り越えるために、1日1回は7秒間のハグをするというもの。入院生活が始まってから「その日」が来るまでの時間をもがきながらも懸命に過ごすふたりの姿に、ページをめくりながら涙が止まりませんでした。
誰しもいつか必ず訪れる、大事な人との別れ。それはもしかしたら、想像よりもずっと早く来てしまうかもしれない。だからこそ、私自身も夫とのひと時をより大切に過ごしていこうと思いました。
『7秒間のハグ』
山村美智 著 幻冬舎 ¥1,430
Mayuko Saeki
ヴィエリス代表取締役。全身脱毛サロン「メンズキレイモ」等を60店舗以上展開。1600人の従業員とともに、SDGsの実現にも積極的に取り組む。移動時間はすべて読書に費やす読書家。