「イメージとかけ離れた福祉国家のリアル」
スウェーデンといえば、平等・公平を理念に掲げ、国民の誰もが暮らしやすい欧米でも屈指の福祉大国。
そんないい印象を持っている人も多いのではないでしょうか?
私の会社も女性活躍を掲げていることもあり、ジェンダーへの取り組みを国の最重要政策と位置づけているこの国の話を耳にするたび、憧れを抱いていました。
しかし本書では、富豪一族による富の圧倒的な独占、診療待ちに数週間かかる病院、教育改革の失敗により下がり続ける教育レベル、街に溢れる移民や難民、積極的な武器輸出など、私たちが抱くイメージとは真逆の、スウェーデンの知られざる真実が暴かれています。
実際にスウェーデンに住み、現地企業で働いている方が書いているので説得力もあります。
いかに自分が一般的なイメージだけで判断をしていたのかを思い知らされ、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けたのでした。
いい面だけを見ていては、物事の本質はわからない。
メディアで報じられるイメージをそのまま鵜呑みにせず、「もしかして違う真実があるのかも?」と疑うようにすると、世界が今よりもクリアに見えてくるのかもしれません。
『スウェーデン 福祉大国の深層 金持ち支配の影と真実』
近藤浩一 著
水曜社 ¥1,760
Mayuko Saeki
ヴィエリス代表取締役。全身脱毛サロン「メンズキレイモ」等を60店舗以上展開。1600人の従業員とともに、SDGsの実現にも積極的に取り組む。移動時間はすべて読書に費やす読書家。