全国に92店舗を構えるバルニバービの会長・佐藤裕久氏が2022年、地方創生に取り組んでいる淡路島で言っていた、「次は出雲です」。それがついに形になった。地元民と潮風と夕焼けで心が潤う旅ができる。【特集 男の美容最前線】
地方創生で「心が潤う」旅に出る
美しく雲が湧き出る様子から「出雲」と名付けられたこの地は、神々が宿るパワースポット。そんな神聖な地に、強い意志で立ち上がったのが、日本全国に飲食店などを多展開するバルニバービだ。
淡路島では、海沿いの地にサウナつきの宿泊施設、飲食店、子供図書館、コワーキングスペースと次々に街を創再生する施設を創り上げた。地元の人たちも巻きこんでイベントを開催するなど、人を呼び、人を喜ばせる活動を続けている。
そのバルニバービが次に創再生の地として選んだのが出雲最西端の街・多伎(たき)町。佐藤会長はこの地に立った時、その美しい夕日に「神々に守られる豊かな時間」を実感したという。恵まれた地だからこそ、バルニバービが目指す地元との融合や発信がかなうと確信したそうだ。
そして、1年の歳月をかけて準備し、観光や2拠点生活、移住も見据えた新たなコミューン「WINDY FARM ATMOSPHERE」を2023年5月1日に始動させた。
全室から夕日が望める8室のホテル、地元島根の食材をふんだんに使った185席のダイニング、キッチンカーやお土産ショップもあるパーキングエリアを開業。
スタッフには島根で働きたいと熱望して移住した人がいる一方で、活動に共感して参画した地元の人も多い。都会にはない自然が持つ力は、あらゆる人を引き寄せるのだろう。
夕日が美しい崖のなかのホテルIZUMO HOTEL THE CLIFFには、テレビはない。「ここに居る間だけでもデジタルデトックスしてほしい」という、ホテルの想いがあるから。
「ふたりで泊まっていただくのはもちろんですが、ひとりで自分の時間を満喫していただくのもお薦めなんです。朝は、しじみのエスプレッソから始まる朝食をじっくり味わっていただき、その後は出雲大社を参拝するなど、観光に出ていただくのもいい。夕日が見える部屋で海の移ろいや風の音など、ここにしかない日本海の美しさを体感していただきたい」と薦めてくれるのは、プロジェクトの代表を務める石倉治氏。彼もまた、島根に移り住み、その素晴らしさを感じているひとりだ。
近くにはゴルフ場もあるし、海辺でサーフィンもできる。貸切サウナで汗をかくのもウエルネスなひと時になるだろう。常日頃、時間を惜しんで過ごす人にこそ、この地の音や香りを内に響かせ、心身を潤す美の時を心ゆくまで堪能してほしい。