GOLF

2023.09.10

プロゴルファーでも勘違いする!? プレーファストのため改正ルール7選

2019年に行われた大幅なルール改正は、プレー時間を短縮するプレーファストも目的のひとつ。ティーチングプロの吉田洋一郎コーチがラウンドするうえで覚えておきたいルールを改めて紹介する。※アコーディア・ゴルフのゴルフメディア「SHIBAFU」の提供記事。

覚えておきたいルール

ゴルフのルールが2019年1月、大幅に改正されました。アマチュアにもわかりやすく、より多くの人がゴルフを始めやすくするのが改正の目的の一つで、アマチュアが仲間同士で楽しむときのローカルルールも取り入れられたのが特徴です。

プレー時間を短縮する「プレーファスト」のための改正も盛り込まれました。ラウンドするうえで覚えておきたい新たなルールについて解説します。

1.準備ができた人から打つレディゴルフが認められた

ゴルフではティーショットを除き、ホールから遠いプレーヤーから順番に打つことがルールで決められています。しかし、打数が多い初心者と一緒にプレーするときなどは、中・上級者が待たされる場面が増えることになり、プレーも遅れがちになります。

このため、プレーヤー同士で合意すれば、「レディゴルフ」が認められることになりました。簡単に言えば、「残りの距離にかかわりなく、準備ができたプレーヤーからプレーを進めていく」ということです。

当然ですが、本来打つ順番のプレーヤーの準備が整っているのに、勝手に先に打ってはいけません。周りの状況を確認しながら、先に打つときは一声かけてから打つといいでしょう。相手の邪魔をしないように気をつけ、安全第一を心掛けてプレーするようにしましょう。

2.ピンを挿したままパッティングしてもOKに

これまではパッティングをする際に、カップの目印であるピン(旗竿)を抜かなければならなかったのですが、ルール改定によりパッティング中でもピンを抜かなくてもよくなりました。

本来は、ピンの抜き挿しの時間を短縮するための改正ですが、ピンがあるとボールがピンに当たって大きくオーバーするのを防げる可能性があり、ロングパットでは目印にもなるということで、プロのなかにはあえてピンを挿してパッティングをする選手もいます。

ただし、挿したままで打つ際に、ボールがピンに当たりそうだからといって途中で抜いてはいけません。明らかにピンに当たらないときは問題ありませんが、キャディや同伴者がピンを抜いてしまったらプレーヤーに2打罰が科せられ、同伴者が勝手に抜いてしまった場合には同伴者に2打罰が科せられます。

3.ボールの捜索時間が5分から3分へ短縮

林や深いラフなどにボールが入ってしまったとき、探してもボールが見つからなければ、ロストボールとして1打罰で元の場所から打ち直さなくてはなりません。この探すための時間がルール改正によって5分から3分に短縮されました。

自分のものと思われるボールが見つかったときは、3分を経過した後でも、ボールに近づいて確認をする時間は認められます。

4.バンカーの木の葉は取り除けるように

バンカーの中では、砂にソールをつけることはもちろん、落ち葉や小石も触ることができず、難易度の高いバンカーショットをさらに難しくしていました。

ルール改正では、コースのどこででも、罰を受けることなく、落ち葉や枯れ枝、小石、虫の死骸などの障害物(ルースインペディメント)を取り除けるようになりました。バンカーも例外なではなく、落ち葉や小石などを取り除くことができます。

ただし、グリーン以外で障害物を取り除いたときにボールが動いた場合は、1打罰で置き直し(リプレース)をしなければなりません。

5.ボールを拾い上げて確認する場合の告知が不要に

ボールに泥などの汚れがついて、自分のボールかわからないときは、ボールの位置をマークしたうえで、拾い上げることができます。

以前のルールでは、同伴者などが立ち合うなければならなかったのですが、ルール改正で立ち合いがなくてもボールを拾い上げられるようになりました。

このとき、ボールの目印となる部分の泥や汚れを落とすことはできますが、ボール全体の汚れを落としたり、拭いたりしてはいけません。

マークし忘れたり、必要以上にボールの汚れを落としたりしたときは1打罰となります。

6.1ホールあたりの最大スコアの設定

仲間同士で初心者を交えてラウンドするとき、「ギブアップ」を認めるときがあります。

OBを連発したり、なかなかグリーンに乗せられなかったりして時間がかかりそうなときに、カップインしなくても、そのホールでのプレーを終了するローカルルールです。

このローカルルールが、ルール改正によって認められ、任意の最大スコアを設定できるようになりました。例えば、14打と決めれば、1ホールで14打に達したときに、カップインできなくても、そのホールでのプレーは終了となります。

ルールでは最大打数は自由に設定できることになっていますが、通常は規定打数(パー)の2倍か3倍にすることが多いようです。

初心者がバンカーにはまって何回打っても出ないときなどは、集中力が途切れてますますうまく打てなくなっていきます。

周囲に迷惑をかけそうだと思ったら、潔くギブアップして次のホールへ気持ちを切り替えましょう。

7.1打40秒以内を推奨

打つ前に何度も足場や方向を確認したり、素振りを繰り返していたりすると、どうしてもプレーが遅くなります。そのため、新たなルールに「障害や気を散らすものがなく、プレーできるようになってから40秒以内に打つ」という具体的な推奨時間が明記されました。

ただ、40秒というのはプロの試合のことで、アマチュアならもっと早く、できれば20秒以内には打ちたいものです。40秒ルールは「40秒かけてもOK」という意味ではないので気を付けましょう。

40秒を推奨時間とした規則には、「ゴルフは速やかなペースでプレーすることになっている」とプレーの際の心構えが記載され、40秒ルールに続いて「プレーヤーは通常、推奨時間より速くプレーできるはずであり、そうすべきである」とも書かれています。

この規則の精神に則り、できるだけ早いプレーを心がけましょう。

吉田洋一郎/HIROICHIRO YOSHIDA
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

TEXT=吉田洋一郎

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