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2022.10.01

バックスイングで右手を使いすぎてない? 簡単チェック法&対処法

今回は、バックスイングについて。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは……

吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン

【右腕を使いすぎるとスイングが不安定になる】

私がレッスンを行う際、初めて受講する方に行ってもらうテストがある。テストといっても難しいものではなく、「前ならえ」をするときのように両腕を前に伸ばし、前傾姿勢でバックスイングをしてもらうだけだ。

このシャドースイングを行う際、バックスイングで両手の間隔が変わらなければ合格だが、両手の間隔が広がってしまう場合は体と腕のシンクロが崩れた状態になっている。特に右手だけが上がってしまう場合、利き手の右手を使いすぎてしまっている「手上げ」の状態になっている。このようなエラー動作が出る人は、体と腕の同調性を身に付けてもらうところからレッスンを始める。

バックスイングで右手を使いすぎてしまうと、クラブがインサイドに上がりやすくなる。その結果、アドレスの時に両肘と胸の3点でできた空間がつぶれ、体と腕のシンクロが崩れてしまう。このようなバックスイングで手元が背中側にある「振り遅れた」状態になっていると、まっすぐボールを飛ばすためにはダウンスイングで手元を振り戻す動きが必要になる。腕を振り戻すタイミング次第で右にも左にもボールが飛ぶ「腕振りスイング」となり、非常に不安定なスイングとなる。

【体と腕を同調させてバックスイングをするためのシンプルドリル】

今回は右サイドの使い過ぎを解消し、体と腕を同調させてバックスイングをするためのシンプルなドリルを紹介しよう。
まず、右手一本でクラブを持ち、右わきを締め、左手で右前腕を押さえる。その状態から、左手で右前腕がアドレスの位置から動かないように押さえながらバックスイングを上げる。腕でクラブを上げることができないので、右腰を斜め上に切り上げる動きと、上半身を連動させて体を回転させることでクラブを上げていく。さらに、手首を柔らかく使って体の動きと連動させてヘッドを動かすことで、体とクラブが連動したバックスイングを行うことが可能になる。練習の際は、右わきを締める意識だけでもいいが、よりしっかりと右わきを締めるためにタオルやヘッドカバーなどをわきにはさんでもいいだろう。

右サイドの体と腕の同調性を高めることで、手や腕だけでバックスイングを上げることができなくなる。それまで手先や腕でクラブを引き上げる癖が染みついていた人は、どうやってバックスイングを上げればよいのか分からなくなるかもしれないが、この練習で体を回転させれば自然と手や腕が上がっていくことを実感してほしい。

体と腕がシンクロしたスイングに慣れていない人は、トップの位置がかなり窮屈に感じるかもしれない。それまで右腕を自由に動かすことができていたので、当然違和感があるだろう。加えて、以前と比べると腕が上がらないので、トップが小さすぎるように感じるかもしれない。バックスイングではクラブの上がる勢いによって、自分が感じるよりもクラブは大きく上がるため、トップが小さすぎるのではないかと心配する必要はない。特に、今までオーバースイング気味だった人は、窮屈感に慣れて適切な位置にトップを収めるようにしてほしい。

練習ドリルに違和感がなくなってきたら、今度は両手でクラブを持ってスイングをしてみよう。右わきを締め、右前腕を押さえている感覚を忘れないように意識してバックスイングする。右手、右腕はアドレスの位置に留めて動かさない意識を持ってバックスイングをするといいだろう。

体と腕のシンクロを高め、体の回転でクラブを引き上げられるようになれば、再現性の高いスイングが身につくはずだ。どこでも行うことができる練習ドリルなので、空き時間を見つけて取り組んでみてほしい。

動画レッスン↓

 

過去連載記事

連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは……
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

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TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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