MAGAZINE &
SALON MEMBERMAGAZINE &
SALON MEMBER
仕事が楽しければ
人生も愉しい

GOLF

2019.03.15

ゴルフプロは「パンッ」、アマチュアは「ドスッ」。上手にバンカーショットを打つコツ&練習法

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム38回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

吉田洋一郎

耳をすませばバンカーは上達する

グリーン近くのガードバンカーから脱出するショットでは、砂の上から高い球を打たなければならないので、どうしても力が入りがちだ。思いきり振り下ろして「ドスッ」という音とともにほとんどフォローが取れず、高さも距離も出ないアマチュアが多い。それを嫌がるとボールだけをクリーンに打ってしまい「カーン」という乾いた音のトップが出てしまう。

プロはゆったり振って「パンッ」という音とともに砂が飛び散り高いボールが出る。ではこの「パンッ」と「ドスッ」、動きにはどんな違いがあるのだろうか。

砂がボールを押し出す

バンカー内のボールは、フェアウェイやラフと違ってボールと地面の間に隙間がない。クラブヘッドがボールを拾うことができないので、ボールの下にある砂を飛ばして一緒にボールを上げる。これがバンカーショットの仕組みだ。

アマチュアの「ドスッ」というショットはボールを砂ごとグリーンに運ぼうとして、過度にクラブヘッドを砂に打ち込んでいる場合に起きる。リーディングエッジを打ち込んでボールの手前の砂ごとかき出すイメージを持っている人がいるが、これではバンカーから出すことはできるかもしれないが寄せることは難しい。

バンカーショットで使うのはソール面。ウェッジにはここにバウンスというふくらみがあり、そのふくらみで砂を叩くのが正しい。この時にバウンスが砂をはじくので「パンッ」だったり「タンッ」といった小気味良い音がする。この音をよく覚えておこう。

バウンスを使うためにはフェース面は上を向いてなくてはならない。ボールの下をクラブヘッドでだるま落としをするようなイメージで振ってみよう。通常のショットではフェース面がボールを押すためボールの後をヘッドが追いかけるが、バンカーショットではヘッドが先に抜けてボールがそのあとを追う形になる。バウンスを滑らせながらボールの下にある砂を払い打ち、ボールを真上に飛ばすイメージだ。このイメージさえ持てていれば、ヘッドが砂に埋もれることはなく、1発でグリーンに乗せることができる。

グリーンのセッティングが違うので、プロのように高い球でスピンが効いた球を打つ必要はないが、このバンスを使う打ち方をマスターすることで距離とスピンのコントロールが向上し、バンカーショットの再現性が高まる。

バンカーショットの練習方法

このようにバンカーショットはボールを直接打たない。つまりボールがなくても練習することができるショットだとも言える。ソール部分をどこに落とすか目標を決めて、その部分を掃くように行う素振りが時間もお金もかからないもっとも効率の良い練習法だ。

バンカー練習場があってもボールはいらない。砂の上に飛球線に対して直角に線を引き、その線にソールを落とす。これなら連続素振りができるので動きが身につきやすくなるし、ボールを拾いに行く必要がないため短い練習時間で済む。

この時、インパクトでヘッドが手元を追い越していく感覚があるといいだろう。バンスを使ったバンカーショットではグリップエンドよりもヘッドの運動量を多くする必要がある。

今までハンドファーストでリーディングエッジを砂に打ち込んでいた人は手打ちに感じるかもしれない。その違和感はヘッドの運動量が増えた結果感じるものなので問題はない。むしろ、その違和感を感じられるように練習をするといいだろう。

砂の上での素振りの際も、しっかり耳をすませてほしい。「パンッ」の音が多くなれば、成功の確率が上がっている証だ。

この連載をもっと読む

連載
吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2024年5月号

身体を整えるゴッドハンド

ゲーテ5月号表紙

最新号を見る

定期購読はこちら

MAGAZINE 最新号

2024年5月号

身体を整えるゴッドハンド

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ5月号』が3月25日に発売となる。成功者たちを支える“神の一手”を総力取材。すべてのパフォーマンスを上げるために必要な究極の技がここに。ファッション特集は、“刺激のある服”にフォーカス。トレンドに左右されない、アートのようなアイテムが登場。表紙は、俳優・山下智久。

最新号を購入する

電子版も発売中!

定期購読はこちら

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる