春本番、装う愉しみに心躍る季節が到来。人気ブランドの最新作に触れながら、時代の気分と新たな潮流を、ひと足早く纏いたい。人気スタイリスト・野口強による連載「The character of G」。

1.ジョルジオ アルマーニ|質感のコントラストで魅せる美しき均衡
画家が異なる色をパレットの上で調和させるように、相反する要素をスタイリングに軽やかに織り交ぜた今春夏。V字の切り替えが印象的なブルゾンと、レザーのギャザーパンツのコーディネイトも、質感の異なる黒がシックなコントラストを描きだし、秀逸。

2.エルメス|上質と洗練で磨き上げたしなやかな気配を纏う
特殊な加工でヴィンテージ感のある風合いに仕上げたジップアップブルゾンには、カフタン風のシャツとワンタックのストレッチ入りパンツを。フリンジのついたヌバックレザーのストールが、襟元にエアリーなムードを添える。

3.ザ・ロウ|揺るがぬ普遍をモダンに柔らかな構築とともに
今季は「ワードローブ」と「テーラリング」というメゾンのメインコードを遊び心のある視点でリファイン。カシミアとリネンの絶妙なブレンドが際立つカーディガンとニットは、陽光を受けて立ちのぼる自然な立体感が、繊細なハイライトをつくりだす。シーズンレスな仕様も白眉。

4.プラダ|意志あるトーンチェンジでスタイリングの鮮度も加速
光沢のあるレザージャケット、鮮烈なブルーのタートルネックシャツ、そして薄緑色のストレートコットンパンツ。「A CHANGE OF TONE」と題された今季は、さまざまな要素を解体することで、プラダ流に再構築したルックが必見。

5.セリーヌ|新しい季節の輪郭を描くフレンチ・シックの新潮流
新しい季節の軽やかさと、夏らしいカラーパレットにフォーカスした新作は、オーセンティックなアイテムをシルエットやフィットでモダナイズした傑作が充実。

6.ヴァレンティノ|境界を超え、端正を宿すブランドの底力を再確認
ピンストライプウールのノーカラージャケットは、コンパクトなシルエットがユニセックスなムード。ジュエルボタンを配したデニムパンツとのコントラストも絶妙で、メンズワードローブを再解釈した今季のテーマを象徴するルックに。

7.ディオール|クチュールの系譜が息づくメンズスタイルの最新章
サテンのネックバンドは、18世紀の貴族文化から着想を得た象徴的なピース。1948年の春夏 オートクチュール コレクションで発表されたドレス「カプリス」を着想源にしたデニムパンツはアシンメトリー構造で、歩くたびに裾が揺れる斬新さ。ジョナサン・アンダーソンの創作性が光る。

8.ドリス ヴァン ノッテン|端正な美学を継承したメンズエレガンスの現在形
クラシカルなジャケットにパレオを大胆に合わせたスタイリングは、フォーマルとカジュアルの間を行き来しながら、テーラリングとフレッシュなスタイルを融合させた今季を代表するルック。自由で開放的な気分に、エレガンスが加味された、ブランドのアイデンティティを再確認したい。


