男の生き様が表れるコートには、人生を物語るに足る強い存在感がある。ゆえに合わせるアイテムは色調を統一し、控えめにまとめるのが好バランスだ。そこで旬のコートにベストマッチな色選びと着こなしを、ゲーテファッションディレクターの島田明が指南する。
OVER SILHOUETTE × CAMEL COLOR
「オーバーサイズシルエットは現在のトレンドを象徴する流れであり、それが最も表れているのがコートです。その発祥はストリートであり、子供っぽく見えがちですが、成熟した男性こそ似合うキャメルカラーを合わせれば大人らしく採り入れられます。落ち着きのあるエレガントな色調により、若作りしているように見えないのが利点です」
OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™/オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™
エッジィになりすぎないのが大人がモードを愉しむための秘訣
「オーバーサイズシルエットに加え、オフ-ホワイト™の新しいコートは全体に中綿が凝らされ、そのボリューム感が独創的なモードテイストを放っています。ここでこなれた風合いのキャメルカラーのスエードシャツを合わせることで、エッジィになりすぎず大人らしく着こなせるはず。さらにベージュのニットタートルをレイヤードしてグラデーションを作れば、よりナチュラルなこなれ感が演出できます」
HEVO/イーヴォ
大人が着やすいクラシックとモードのさじ加減
「イタリアのコート&アウター専業ブランドのイーヴォは、クラシックとモードがバランスよく融合したコートを得意としています。ウィンドウペーンのアルスターコートも一見クラシックですが、オーバーサイズのシルエットはモードな佇まい。とはいえクラシックと相性がいいので、コーデュロイのセットアップスーツやニットポロなど旬のクラシックアイテムを用い、大人らしくまとめます」
JIL SANDER/ジル サンダー
過去と未来が交差する古着とモードの共演
「バルカラーとトレンチを融合させたようなデザインに、オーバーサイズのシルエットがハリのあるブラックのウール地で際立つジルサンダーのコート。エッジの利いたモードテイスト溢れる1着であり、こなれた無名性のある古着でコーディネイトするのが正解です。きめすぎないリラックスした雰囲気で着こなせ、コートの存在感もほどよく引き立ちます。過去でも未来でもないイメージも新鮮です」
FENDI/フェンディ
存在感のあるモードテイストを醸すデフォルメ効果
「フェンディが今季提案するコートはトレンチ風で一見クラシック。ですが、オーバーサイズのシルエットをはじめ、ラウンドした大きめのフラップやエポーレット、袖口の大きなゴールドバックルなどのディテールにモードが漂います。そのデフォルメ感に合わせ、キャメルカラー基調のワイドピッチボーダーニットやワイドパンツが好相性です。また随所の白による抜け感で、バランスを整えます」
AKIRA SHIMADA
1963年東京都生まれ。雑誌『MEN’S CLUB』にて編集者としてキャリアをスタート。その後、雑誌『LEON』で編集長代理、『Esquire』でファッションディレクターを経て、2011年より小誌ファッションディレクターに就任。現在、Patrick CoxやHEADなど国内外のブランドのディレクターも務めている。