シーズンごとのトレンドを把握することは、洒脱への早道だ。ラグジュアリーから古着まで精通する小誌ディレクター・島田 明が、センスアップの決め手となる最旬アイテムと着こなしを紹介。
M-51
古着の流行からのトレンドはポイント使いが鉄則
「私は定期的に高円寺の古着店をチェックしています。世界中から良質な古着が集まる高円寺は、著名デザイナーにとってアイデアソースの宝庫としても有名ですが、そんな古着の街で数年前、米軍のM-51フィールドコートの価格が上昇し、品薄となっていました。私の予想通り、M-51はモードブランドのトレンドに踊り出ました。存在感のあるアイテムだけにポイントとして採り入れるのが、洒脱に見せる秘訣といえます」
CHECKED PATTERN
大人らしい知的な遊び心をポップなチェックで表現
「英国発祥のチェック柄は一定のサイクルでトレンドに浮上しますが、今季は英国調の流れではなく、配色もアレンジされていて、80’sテイストのポップアイコンとしての意味合いが強い。どこかデイヴィッド・ホックニーのポップアートと、彼自身のスタイルをイメージさせます。奇しくも彼は、英国からアメリカに移り住んだ芸術家ですが。印象はポップですが、大人が大胆に着ても意外と子供っぽくならず、知的な遊び心を表現できます」
OVERCOAT
ストリートからモードへ。コートに垣間見る次世代の大人服
「2017年にルーシー&ルーク・メイヤー夫妻が共同クリエイティヴ・ディレクターに就任して以来、ジル サンダーに注目しています。ルークはストリートファッションを経験しており、ストリートとモード、そしてブランドの基調であるテーラードが融合した世界観が面白いと思います。そんな彼らが提案するオーバーコートは、民族的なネックレスとのコーディネイトも相まって、多様なテイストが溶け合う、独創的な存在感が新鮮です」
AKIRA SHIMADA
1963年東京都生まれ。雑誌『MEN’S CLUB』にて編集者としてキャリアをスタート。その後、雑誌『LEON』で編集長代理、『Esquire』でファッションディレクターを経て、2011年より小誌ファッションディレクターに就任。現在、Patrick CoxやHEADなど国内外のブランドのディレクターも務めている。