1stアルバム『Kode Talkers』。サウンドはまるでライヴ録音であるかのようにラウド。どんなレコーディングを行ったのか?
ライヴ盤の録音のようなスタジオワーク
アルバム『Kode Talkers』は、都内のスタジオでレコーディングされた。コアメンバーの長瀬智也と久保田光太郎と、ドラムス、ベース、キーボード。ひとつのブース内に、ぐるりとUの字を描いてセッティング。
アルバムを聴けばわかるが、そのサウンドはシンプルかつプリミティブ。5人の演奏と歌だけ。他に余計な音は鳴っていない。
「アルバムに入っているオケは同時録音なんです」(久保田)
現代の多くのレコーディングは、初めにドラムスとベースがリズムトラックを録り、次にギターを被せ、キーボードを被せ、その他弦楽器や管楽器を加えて“オケ”をつくってから歌入れをする。演奏を間違えたら、そこだけやり直す。気に入らなかった部分は修正できる。あとで演奏者を替えることもできる。
しかしKode Talkersは全員一緒にガーン! と演奏する。
「ドラマーのカウントで演奏をスタートします。ライヴと同じです」(久保田)
逃げ道なし。誰かが間違えたら曲アタマからやり直さなくてはならない。エフェクターをかませないので楽器そのものの音が鳴ってしまう。ごまかしが効かない、まさに“裸のサウンド”だ。
その時、その場所、そのメンバーだけの音で、笑顔を見せながらも張りつめたスタジオの空気をまるごと収めるやり方だ。だからリスナーは、ライヴ会場にいるかのような生々しさをアルバムから感じることができるはずだ。
「どの曲も2テイク目か3テイク目で終えました。初回はメンバー同士お互いの音を聴き、意図を知り、あとは本番。勢いのあるうちに録りたかったんですよ」(久保田)
「40歳を過ぎてもバンドはできるってことを証明します。一発録り、オーバーダビングなし、リリースも自主レーベルで。僕たちをチャレンジャーと言わずして、誰をチャレンジャーと言うのでしょう。僕らを観て聴いてくれた皆さんが、何かをチャレンジする時の励みになってくれればっていう思いがあります。大人の遊びだけど、本気ですからね」(長瀬)
Kode Talkers
長瀬智也と久保田光太郎をコアメンバーに、ドラムス、ベース、キーボードを加えた5人編成のロックバンド。長瀬のストレートなボーカルと、久保田が大切にする楽器そのものの鳴りが、リスナーの胸を揺さぶる。2023年6月に1stアルバム『Kode Talkers』を自主レーベル、CHALLENGER RECORDSからリリース。2023年9月から東京と大阪でライヴを予定している。
Instagram:@kodetalkers_official