往年のギブリの名を2013年に復活させた3代目。先代の2ドアクーペから4ドアスポーツセダンへと生まれ変わると同時に1000万円を切る、身近なマセラティとして世界中で大ヒット。最上位機種のギブリSグランスポーツには、フェラーリが手がけた最高出力430psのV6ツインターボを搭載する。
つづら折りを貫く、三叉矛の"熟成GT"ギブリのさらなる深化
三叉矛(さんさそう)をエンブレムに冠した老舗ラグジュアリースポーツカーブランド、マセラティ。
グラントゥーリズモの名を掲げる旗艦クーペを筆頭に、4枚ドアを意味するセダンのクアトロポルテやSUVのレヴァンテを展開。
そして新たにスーパースポーツ、MC20がファミリーの頂点に加わるのだが、それはさておき、いずれのモデルも頭ひとつ抜きんでたGT="グランドツーリングカー"性能を併せ持つ。
マセラティにとって欠かせない伝統的資質、それがGT性能。端的に言えば 「長距離を快適に走れるエレガントなクルマ」 である。
なかでも今回、東京から栃木県日光へと長距離ツーリングを試したギブリSグランスポーツは、その車名が示すとおり、GTカー性能を極めた存在。ストリートから高速路まで全方位をカバーしている、上等なスポーツセダンだ。
その高速道路上で、偶然、他のマセラティと鉢合わせた。ミラー越しに迫りくる姿はスポーツカーそのもの。慌てて右車線を譲り、同じギブリであったことに驚かされる。
妖艶なイタリアンデザインを纏(まと)った去り際の体躯は、まるでクーペだ。
日光いろは坂に差しかかり、スポーツモードをひとたびONにすれば、乾いたラウドな咆哮(ほうこう)が響き渡る。
足回りが硬められ、たちどころに鼻先軽いスポーツカーへと覚醒。タイトコーナーの連続を軽快なリズムで一気に駆け上がる。
その一方で、中禅寺湖界隈を静かに流している時さえ、気分が心踊るのは血統馬たるギブリだからこそ。
心臓部にはフェラーリが開発に携わった430psのパワーを放つV6ツインターボを収める。高い静粛性(せいしゅくせい)や優れた乗り心地、運転時の疲労感を抑える高速安定性。
さらにレーンキープや前走車追従機能など、安全装備にも磨きがかかった。東京から片道約200㎞のドライブツーリングなんて朝飯前。
移動する歓びを感性に訴えるクルマ、それが熟成極まる最新ギブリなのであった。
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マセラティ コールセンター TEL:0120-965-120