圧巻の存在感を放つ絵画から彫刻、映像作品まで、さまざまな手法で作品を作りだす表現者たち。アート業界に新風を巻き起こす新進気鋭のアーティスト10人を厳選! 今回は、アーティストの小林健太氏を紹介する。【特集 アート2023】

写真プリント作品の『Mayumi(Yellow, Blue) #smudge #invert』(2022)。© Kenta Cobayashi
空間をガラリと変えるほどのインパクト
自身で撮影した写真を大胆にデジタル加工し、目が覚めるほど色鮮やかなイメージをつくり出す。小林健太氏の強みは、尽きせぬ豊かな発想力と実験精神だ。
シャッターを押せば本物そっくりの像を写し取れるはずの写真の画面をいったん断片化し、よりインパクトのある画面に再構成してしまう確固たる美意識には圧倒される。
サイズを問わず小林氏の作品がひとつでもそこにあれば、空間全体の空気が丸ごとガラリと変わるほどの「強さ」も持ち合わせ、一度目にしたら最後、病みつきになる点も特徴だ。

レンチキュラー加工が施された『wormhole 1 #smudge』(左)と『wormhole 2 #smudge』(右)。Photo by Shintaro Yamanaka(Qsyum!) Courtesy of WAITINGROOM, Tokyo
<How to See>
公式HP:https://kentacobayashi.com
Instagram:@kentacobayashi

アーティスト
小林健太/Kenta Cobayashi
1992年神奈川県生まれ。写真というメディアを使って鮮烈なイメージを生み続ける。直近では寺田倉庫で開催された「MEET YOUR ART FAIR 2023『RE:FACTORY』」に出品。photo by Ko-ta Shouji