西陣織の老舗、細尾(京都市・中京区)が運営する『HOSOO GALLERY』にて「Ambient Weaving ─ 環境と織物」展が7月18日まで開催中! 革新的な着物を発信し続ける細尾だからこそ実現できた展示品は一見の価値あり。
ゾゾテクノロジーズ、東京大学とコラボした最先端テキスタイル
元禄元年(1688年)に創業した株式会社細尾は西陣織の老舗でありながら、きもの文化の継承に取り組み、伝統的なきものと革新的なテキスタイルを通じて、日本の優れた物づくりについて発信している稀有な企業。現在開催中の展覧会「Ambient Weaving ─ 環境と織物」では、東京大学大学院情報学環・筧康明研究室(東京都・文京区)、株式会社ZOZOテクノロジーズ(千葉県・千葉市)とタッグを組み、2020年より新たなテキスタイルの共同研究開発を行なってきた成果が展示されている。
軸にあるのは、伝統工芸と先端テクノロジーを組み合わせた機能性と美を両立するというもの。昨今加速するテキスタイルの機能面での進化に加えて、テキスタイルのもたらす機能に対して意匠を両立させること、そして新しい機能を用いることで可能になる意匠の開拓に挑戦したという。
展示品は斬新! 環境情報を表現する織物、もしくは環境情報そのものが織り込まれた織物を開発。例えば周囲の温度で生地の色が変わる「Wave of Warmth」は、特定の温度で色が変化するロイコ染料を紙に塗布し、箔と同じ要領で裁断した紙糸を西陣織の技法で織り込んだ。
また、水の中でたゆたうテキスタイルの動きを表現した「Memories of Flow」は、UV硬化材を入れたチューブを緯糸(ぬきいと)に織り込んだテキスタイルを水に入れ、水中でUVを照射し生地を硬化したもの。
そのほか、内部に特殊な構造体を折り込み、温度や水分量をコントロールすることで染料が移動、色が変化し続ける「Drifting Colors」や、有機ELや高分子分散型液晶を織り込んだテキスタイルなども開発した。
インスピレーションを刺激されること間違いなしの、今までの概念を覆す、最先端のテキスタイルに触れてみてほしい。
「Ambient Weaving ─ 環境と織物」
会期:2021年4月17日(土)‒ 2021年7月18日(日)
会場:HOSOO GALLERY 京都市中京区柿本町 412
TEL:075-221-8888
開館時間:10:30 ‒ 18:00(祝日を除く、入場は閉館の15分前まで)
入場料:無料
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HOSOO
『細尾』は元禄年間(1688 年)、京都西陣において大寺院御用達の織屋として創業しました。京都の先染め織物である西陣織は1200年前より貴族をはじめ、武士階級、さらには裕福な町人達の圧倒的な支持を受けて育まれてきました。『細尾』は今、「帯」や「きもの」といった伝統的な西陣織の技術を継承しながら、革新的な技術とタイムレスなデザイン感性を加えることによって、唯一無二のテキスタイルを生み出し、国内外のラグジュアリーマーケットに向けて展開しています。詳しくはこちら。