レストランを愛してやまない秋元康、小山薫堂、中田英寿、見城徹が選ぶ、最強のレストランガイド「ゲーテイスト2024」。皿とともに料理人のほとばしる情熱を心ゆくまで味わいたい、“料理人の覚悟”を感じる店をご紹介。今回は静岡・焼津の『なかむら』。
見城「静岡ガストロノミーの強力なルーキーが登場しました」
静岡ガストロノミーの火つけ役となった天ぷらの『成生』で8年修業し、抜群の鮮度を求めて『サスエ前田魚店』のお膝元・焼津で2023年5月に独立した中村友紀氏。前田氏の強力なバックアップのもと進化する天ぷらで注目を浴びている。
見城 『成生』の移転前の店からいた2番手・中村君の店です。
秋元 焼津で独立したのは『サスエ前田魚店』が近いから?
見城 そう。『成生』で働く前、20歳から前田さんの店に仕入れに行っていたそうで信頼関係が厚く、オープン前の2週間は毎日前田さんに天ぷらを食べてもらって揚げ方の微調整をしていたそうです。今も週一でチェックしてくれているとか。
中田 前田さん、すごく面倒見がいい方なんですね。
見城 うん。前田さんの店に仕入れにくる料理人は、その場で頭と内臓を取って水洗いするまでの下処理をさせてもらえるそうです。移動のストレスで魚の味も変わってしまうからって。
中田 その日採れたものをその日のうちに食べられるって、漁港の近くならではですね。
見城 水分が多いから揚げ方が違うと中村君が言っていました。水分を封じこめるようにして揚げるので魚がふわっと膨らむ。1回行ってすぐ行きたくなっちゃってまた行ったんですけど、ずっと『成生』で2番手やりながらいっぱい勉強してきたんだなっていうのがよくわかる、素晴らしい天ぷらでした。自分なりの個性を出すための工夫もしているし。今後もっとよくなるのかと思うと頬が緩みます。
なかむら/Nakamura
静岡から焼津は在来線で12分。焼津駅から『なかむら』は徒歩5分。せっかくだから、お店を訪れた際はぜひ魚を仕入れている『サスエ前田魚店』へ。焼津駅からクルマで7~8分のところにあり、一般客も買い物できるが、夕方には品薄になるので早めに行くのがお薦め。
住所:静岡県焼津市栄町2-4-8
TEL:054-639-6613
営業時間:ランチ12:00~、ディナー18:00~
定休日:日曜
座席数:7席
料金:¥18,700
※完全予約制。予約は1ヵ月ごとに電話で。予約受付け日時はインスタで告知。
Instagram:@naka_mura.yaizu
この記事はGOETHE 2024年7月号「総力特集:恍惚レストラン ゲーテイスト2024」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら