GOURMET

2022.12.24

食材ありきのオリジナリティを追求! 出会いを楽しむ白金のレストラン「Kermistokyo」

新しいレストランに行く理由、それは時代に先駆けた感覚に触れられる楽しみがあるから。味のクオリティだけではない高感度な最旬レストラン、白金の「Kermistokyo(ケルミストーキョー)」を紹介する。

ケルミストーキョー

福岡のハンターから届いた鹿肉のグリルとビーツのサラダ(料理は¥14,300〜のコースの一例)。自然の摂理に逆らわず、命をいただくからには余さず使うのがモットー。

格好いいけれど自然体。緩さ加減が心地いい

店名はオランダ語で移動遊園地の意味。シェフ並木康伸氏とマダムのゆうこさんは、約4年間、旅をしながらポップアップレストランを開くという生活を送っていた。

「意図したわけではなかったけれど、独立を考えていた頃、知り合いに“ここ空いているからやらない?”と誘われたり、海外からポップアップの店に来たお客様に“遊びに来て”と言われてアントワープや香港に滞在したり……」。

旅先で出会った生産者やクリエイター、そして旅の体験自体をそろそろひとつの形にしたいという気持ちが大きくなり、「自分たちの世界観」を具現化したレストランを2022年5月にオープンさせた。

ケルミストーキョー

「モンブラン+洋梨のシャーベット」長く経験を積んだフレンチの技法をベースにしつつ、ジャンルレスで食材ありきのオリジナリティを追究している。

ケルミストーキョー

旅で出合ったなかでも思い入れの深い酒が揃う。2021年秋に創業した秋田のクラフトサケ醸造所「稲とアガベ」とは頻繁にイベントを開催。

シェフの経歴はかなりユニークだが、「先入観にとらわれずに来てもらいたい。僕たちの旅の思い出を一緒にシェアして楽しんでもらえたら嬉しい」と話す並木夫妻。インテリアから料理、お酒などにまで出会いを生かすセンスと腕前は抜群だ。また、焼きそば、ハンバーグなどのアラカルトメニューが登場する21時頃からの酒場タイムも魅力的。

時々昼飲み営業があったり、生産者や友人のシェフとコラボしたり、自由なスタンスで多彩な体験を用意してくれる。

ケルミストーキョー

左:インダストリアルな空間演出は夫妻の好みを熟知した設計事務所、PANOFの相馬佳暁氏が担当。また、メインの器、パン皿、カトラリーレストなどは人気アルミ作家、永瀬二郎氏に特注。使いこむほど味わいが出てくる。10年来の友人、LIVE.R MEGURO武永昭二氏にテーラーメイドしたコックコートも素敵。 右:以前は油屋だった築45年の建物をDIYでリノベーション。

Kermistokyo(ケルミストーキョー)
住所:東京都港区白金6-2-4 ナザレハウス西館101
料金:コース ¥14,300〜(21時頃からアラカルト。12月からはサービス料別)
席:カウンター9席
Instagram:@kermistokyo
※営業日や時間は不定により、インスタグラムにて要確認。問い合わせ、予約はインスタグラムのダイレクトメールにて受付。

TEXT=藤田実子

PHOTOGRAPH=鈴木拓也

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