GOURMET

2022.11.06

若き実力派シェフの絶品料理が愉しめる六本木の割烹「感情」

一度聞いたら忘れられない印象的な店名。若き実力派が店を構える、六本木の割烹「感情」を紹介する。

割烹「感情」豊田氏

刀匠界の巨匠、吉原義人氏が打ち上げた玉鋼で一枚一枚、鴨肉を焼く。「小さな穴が無数に空いていて熱伝導がいいため、とても美味しく鴨を焼くことができる」と豊田さん。

刀匠による玉鋼で焼いた絶品の鴨

六本木交差点近くの雑居ビルの階段を上れば、扉に“感情”と書かれた紙が貼りつけてあり、その不思議な光景に店に入るのを一瞬ためらうが、ここは食通の間で話題沸騰中の鴨料理を主役に扱う店。清々しいカウンターを備えた美空間は、会食にもうってつけと評判を集めている。

店主の豊田仁さんは広尾『ア・ニュ ルトゥルヴエ・ヴー』や2021年に惜しまれながら閉店した飯田橋『INUA』、さらには知見を深めるために中華や鮨店でも働いたことのある若き実力派。

フランス料理のシェフの父親に連れられ、生産者のもとをめぐるなかで出合った鴨を主役にした店をやりたいという、かねてからの思いがかなったと話す。

手羽先の唐揚げ 北京ダック風(料理はすべて¥27,500のコースの一例)。表面を乾かしてから焼くことで皮はパリッ、中はジューシーに。自家製の甜麺醤をつけても美味。

つぶ貝の刺身。しじみの貝出汁にビネガーで酸味をプラス。焼き枝豆と一緒に。季節の食材を使った料理も登場する。

右:和の情緒を感じる落ち着いた空間。カウンター内の焼き台で鴨肉を調理。左:皿に美しく盛りつけられた鴨肉。色ツヤのよさに目を奪われる。

供されるのは2万7500円のコースのみで、季節の食材を使った料理が7品登場するが、その“メイン”となるのが窒息法で仕留めた鴨。たたきで提供することもあるフレッシュな鴨は、焼きでもその真価を発揮。玉鋼で一枚ずつ丁寧に焼かれた鴨の旨味の豊かさに思わず唸る。

11月末から12月にかけては天然鴨と養殖鴨の食べ比べも。感情を揺さぶられる食体験に、リピートは確実カモ!?

感情
住所:東京都港区六本木4-12-5 六本木144ビル3F
TEL:非公開
営業時間:17:30~、20:30~(一斉スタート)
定休日:不定休
席:カウンター7席
料金:コース¥27,500~
※予約はOMAKASEにて受付

NAVIGATOR
Keiko Kodera

肉を糧に生きる肉食系ライター。趣味は肉旅(ミートリップ)と食べ物回文を考えること。「なんだと! 茄子出すな!」と旦那(怒り心頭)。
Instagram:@koderin1224

TEXT=小寺慶子

PHOTOGRAPH=菊池陽一郎

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