GOURMET

2021.06.29

摘草料理 かたつむり|食好きが殺到! 岐阜のジビエ仙人が織りなす食肉体験

秋元 康、小山薫堂、中田英寿、見城 徹の美食を探求する4兄弟の偏愛レストランを大公開するゲーテレストラン大賞「ゲーテイスト」が今年も開催に! あまり知られていなくて、プライベート感十分。喧騒とはかけ離れ、密かに感度の高い人が集まるーーそんな隠れ家や穴場は、大人たるもの一軒は行きつけに持っておきたい。本当は誰にも教えたくない内緒のお店を紹介。

 

摘草料理 かたつむり

岐阜の山中にある『摘草料理 かたつむり』は、知る人ぞ知るジビエの名店。猪を炭火で香ばしく焼き上げる。

秋元康「食を通して命の尊さを伝える店主の気概に心が震えます」

そこでしか味わうことのできない“究極の料理”があると聞けば、どこへでも駆けつけてこそ真の食好き。彼らの間で「唯一無二の食肉体験に圧倒された」といわれる“秘境レストラン”が岐阜の山奥にある。

 衝撃度でいったら、最近のなかでもトップクラス。岐阜の『摘草料理 かたつむり』では、本当に得難い食体験をさせてもらいました。大泉洋さんが「めちゃくちゃすごい店を発見しましたよ」というので行ってみたら、これが想像以上だった。

熊のしゃぶしゃぶ

熊のしゃぶしゃぶ。すっぽんの丸鍋で熊肉をしゃぶしゃぶする。締めの雑炊も絶品!(料理はすべて¥18,000~のコースの一例)

 なになに。どうすごいの?

 店構えは普通の民家という感じなんですが、ジビエコースの内容がすさまじい。好き嫌いが分かれる店だと思うのですが、僕は非常に感銘を受けました。

鴨肉の炭火焼き

鴨肉の炭火焼き。血抜きをせずに処理した窒息鴨は、野性味と力強い旨味に富んでいる。

 日本中から食好きが殺到しているという噂はよく聞きます。天然の猪とか鹿とか、季節によって熊も出るんですよね。

 山菜や猪の燻製を盛りこんだ八寸から始まって、近所の川でとれた鮎とかイワナの塩焼きが出て……。鴨の焼物も、とても味が濃くて美味しい。シンプルなんだけど、味の深さが段違いで。僕が一番、好きだったのは猪のスペアリブかな。脂が甘いというのは美味しい豚や猪肉でよく言われるんですが、これは最強レベルの美味しさでした。

熊の手の煮込み

熊の手の煮込み。3日かけて生姜で煮込んだもの(コース料金とは別に¥30,000~)。

 ジビエが苦手な俺とヒデはギブだよ。しかし、秋元の食への飽くなき情熱は年々高まるばかりだね。

 すべてはゲーテイストと読者の皆様に有用な情報をお届けするためです。

猪のスペアリブ

猪のスペアリブ。天然猪の肉の旨味が際立つ。

 本当にありがたい限りだね。

 店主の清水さんは、常連の間では“ジビエの仙人”と呼ばれていて、野生のキノコや山菜にもとても詳しいんです。鹿や猪はなじみの猟師さんから仕入れて自分で解体をする。自然の営みや、命の尊さを知っているからひとつも無駄にできないという考え方なんです。コースで13品くらい出てきて、僕がしきりに美味しいと言っていたら、すごく嬉しそうなお顔をされていたのが印象的でした。あと、果実酒の種類も豊富でスイスイ飲んでしまった。

あかやまどりの握り

あかやまどりの握り。市場に出回ることはほぼないというキノコをソテーし、握りに。未知の食感に驚かされる。

 東京のシェフは、勉強に行きたい人も多いだろうなぁ。

 実際、結構行っている人が多いみたい。食材というか、命との向き合い方を肌で感じられる貴重な場所だと思います。命をいただくことに、心の底から感謝できる。わざわざでも行きたいと思うのは、そういう部分も大きいですね。

ジビエ仙人

“ジビエ仙人”こと店主の清水滋人さん。

ーー今年のゲーテレストラン大賞「ゲーテイスト」は「秘密のレストラン」「陶酔のフレンチ&イタリアン」「美しき芸術の鮨」「職人の技に酔いしれる料理」「百花繚乱の超絶中華」「知る人ぞ知る隠れ家&穴場」「究極の肉を喰らう」がラインナップ! 完全保存版です。

 

Tsumikusaryori Katatsumuri

JR岐阜駅からクルマで30分ほど。山間にある小さな料理店には、全国から食好きが集う。

Tsumikusaryori Katatsumuri
住所:岐阜県山県市長滝502
TEL:0581-36-3621
営業時間:12:00~15:00/18:00~21:00
休業日:不定休
座席数:10席
料金:コースはランチ¥5,000~、ディナー¥18,000~
※完全予約制

TEXT=小寺慶子

PHOTOGRAPH=鈴木拓也

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